修羅場の説明力

発刊
2016年10月19日
ページ数
217ページ
読了目安
234分
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相手に伝わる説明力を高めるためのポイント
元記者と事業再生のコンサルタントが、ビジネスシーンの中で、いかに伝えるべきことを、うまく相手に伝えるかというテーマを元に、説明力を高めるのに必要なポイント「発信力」「独立力」「情報力」「調整力」を紹介している一冊。

発信力

巧みなプレゼンを実現するためには、伝達のための「形」を身に付ける必要があり、自らのプレゼンを十分に「寝かせて」熟成させることが、ポイントの1つとなる。あらゆる情報伝達のポイントは5W1Hである。When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)の6つの要素をきっちりと盛り込むことが基本的な枠組みとなる。

形を身につける効用の1つは、必要な情報が何なのかを素早く意識できるようになることだ。多くの情報の中から、必要な情報を選り分ける。または、不足した要素を尋ねるという作業が無駄なくスムーズに行えるようになる。

必要なことは伝えたい切り口や視点、結論を1つに鮮明に絞り込み、それを伝えるために必要な素材を厳選して、記事の流れをしっかりとつくり込むことだ。そして、ポイントは3つに整理しないといけない。もう1つ大切なことは書いた文章を一度、「寝かせる」ことだ。一旦、書いているテーマを頭から追いはらい、クールな目線を取り戻すことだ。

発信力を一段と高める上で、重要なのは、コミュニケーションの伝達先の状況、思考、利害、趣向等を踏まえたメッセージが発信できるかどうかだ。独りよがりや自己弁護、あるいは所属する組織の都合などが優先された結果、本来の意図が伝わりにくいメッセージとなり、かえって逆効果となって相手の不満・反発を招くケースもある。

メッセージを考える準備段階において様々に頭をめぐらすことで、そのメッセージが抱える問題点・論点等も見えてくる。問題点・論点が見えれば、それに対して用意しておく回答も自ずとイメージできてくる。

独立力

独立力とは「言いたい時に、言いたいことを言える力」である。そのためには、それだけの能力を備え、基盤を持つ必要がある。社外でも通じるスキルや人脈を持ち、多様な価値を社内に反映させる力を備えた組織人こそが、独立力がある人である。ハラスメントの呪縛から解き放たれ、様々な学習機能が働き、常に自ら感覚を研ぎ澄ませて、職場の仲間とうまく連携して仕事に取り組めることが重要な要件となる。

そのためには社外からクールに自分の会社が見えているような視点と日頃からの勉強で磨かれた深い知見が不可欠だ。社外でも通用する能力があり、いざとなれば、辞表を出してでも稼ぎ口があることも必要になる。

情報力

修羅場で説明力を求められた時、ものを言うのは材料だ。その材料をどう選び、収集するのかという情報力が、説明力の優劣を決定づける。

情報に付加価値をつけるのは難しい。通常は、整理した公表データを元に、人対人のやり取りで積み上げた情報や分析が、付加価値を生むことになる。情報は交換することで、初めて意味を生み、深まりを見せる。情報力とは情報交換力であると言っても良い。相手からの問いに対し、自分の見解や意見を的確に発信できるかが問われることにもなる。それには、ある程度日頃から、自分自身を取り巻く状況の中で、相手方が特に興味を持つ出来事や領域について思考を巡らせておく必要がある。

調整力

厳しい交渉に向かう際に求められる説明力を向上させる上で重要なのは、所属する組織の中で、どれだけの権限や交渉余地を与えられているかだ。これを確保するには社内での調整力が求められる。

交渉の相手方と信頼関係を築き情報交換を密にする、同時に組織内では要路との調整によって最低限死守すべきラインからの譲り代を確保する。