一発OKが出るか出ないかは「伝える順番」が9割
「一発OKが出る資料」と「OKが出ない資料」の差は、9割以上が「構成の差」と言っていい。「構成」とは「自分が伝える内容を相手が理解しやすいように並べた順番」のこと。「一発OKが出る資料」をつくる人は例外なく、この構成についてしっかり考えている。
資料をつくる最大の目的は「自分が提案する内容を決裁者に理解させ、通してもらうこと」である。このプレゼン資料における構成は「問題点の特定」→「解決策の提案」の順番がセオリーである。一発OKが出る資料をつくれない人は、大抵このセオリーを無視している。
まずは現状の「問題点」を決裁者に正確に伝えることが先決。その上で「解決策」を提示するという順番にすることが大切である。
一発OKが出る資料の構成のコツ
①「一発OKが出ると、達成できること」を資料冒頭に書く一発OKが出る資料は、ほとんどの場合、資料の「目的の共有」から始まる。読み手が最初に知りたいことは「この資料は何のために(目的)提案されているのか」ということ。参加者は知識量も違えば、資料を見る視点や立場も違う。よって、最初に「目的」を伝え、参加者の目線を合わせる必要がある。資料の「目的」をスムーズに聞き手と共有するためには「提案の背景」→「達成したい状態」の順番で書くと効果的。
②資料の冒頭に「ツカミ」をつくる
いい資料には必ず、冒頭に「ツカミ」がある。「この提案は放っておくとヤバいな」と思わせること。つまり、最初の資料の「目的」の中の「提案の背景」で、提案に対する興味を持たせることが大切である。資料の冒頭のツカミを書くコツは「悪化しつつある現状」+「放置すると今後どうなるかというホラーストーリー」を盛り込むことである。
③取り組むべき問題点を選ぶ
様々な「目に見える問題」の中から、何に焦点を当てるべきなのか、「あるべき姿」を考え、「取り組むべき問題」を選ぶ。これが一発OKが出る資料をつくる人の思考回路である。どの問題に焦点を当てるかを考える時には「20:80の法則」を意識して、ボトルネックとなっている「80%に影響する20%の問題点」を探し出す。
④「定量データ」と「定性データ」を使って説得力を高める
仕事上の問題点をすぐ見つける人は、事実関係をしっかりと調べている。事実関係を押さえるためには「定量データ」と「定性データ」の2つを集める必要がある。まずは「定量データ」で数字を押さえることで、全体感をつかみ、しっかり調べている印象を持たせる。次に「定性データ」で現場感を伝える。数字に表れない現場の情報を盛り込むことで、問題点が立体的に見えてくる。
⑤最大の問題点が発生した「本当の原因」を探る
一発OKが出る資料をつくる人は、解決策を提示する前に、問題点を発生させる原因は何かを調べて提示する。主な原因となり得るのは「ルール、基準が曖昧」「非効率な業務が多い」「技術、スキルが足りない」「人、時間が足りない」「予算が足りない」「業務のチェック、確認が足りない」「コミュニケーションが足りない」「責任の所在が不明確」の8つ。「なぜ?」で原因を深堀りする。
⑦解決策をすべて書き出し、その中からベストなものを選ぶ
最高の解決策を選ぶには「効果」と「実現性」で判断する。解決策は1つに絞り込む必要はなく、メリットとデメリットとして書いておく。
⑧「目的」を数値化する
目標を設定しているからこそ解決策だと認識される。「目標」は、資料の「目的」を具体的に数値化したものである。必要な要素は「期限」と「決めた指標にもとづく目標値」の2つ。