人生をはみ出す技術 自分らしく働いて「生き抜く力」を手に入れる

発刊
2017年6月22日
ページ数
208ページ
読了目安
224分
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自分らしいキャリアをどのように積めばいいのか
東大法学部からマッキンゼーに進み、レアジョブ、ライフネット生命を経て
パンツブランドの社長が、キャリアの積み方、やりたいことの見つけ方を紹介している一冊。

組織の歯車から外れること

「はみ出す」とは、変わった職業に就くとか、自分の会社を立ち上げるということだけを指すわけではない。「組織の歯車」や「決められたレールの上」から自分の意思で外れることこそが「はみ出す」ということである。

キャリアの選択において掛け算できる「プラスα」を持つことが、今後さらに重要になってくる。社会が変化するスピードが速くなり、私たちが働く環境が変わるに連れて、普通にスキルを積み重ねているだけでは生き残れない人材になってしまう。そして掛け算できる「プラスα」を獲得するためには、組織の歯車からはみ出す必要がある。

好きなものに打ち込んでも、その分野で成功を収めるのは簡単なことではない。成功するのはほんの一握りである。だから、1つの分野だけにこだわって努力を続けるよりも、他の分野での可能性も模索することの方が、長い人生においては大切である。試しに色々とやってみて、複数の分野で経験を積み、その掛け算で勝負した方が、1つの分野を極めようとするよりもずっと成功する確率が高くなる。

「目標」と「ご縁」からやりたいことを探す

「やりたいこと」「できること」「求められること」の円を描いてみると、その3つが重なるところに「天職」と呼ばれるような仕事がある。「はみ出す」ために試行錯誤を続けていると、自分が果たして前に進んでいるのかどうか不安になることがある。そのような時は、自分が今やりたいことは何なのか、できることは何なのか、求められていることが何なのかを考えると、見通しがよくなってくる。

キャリアについては、大きく2つの考え方がある。1つは最終的な「目標」を決めて、そこから逆算してキャリアを積み上げていくという考え方。もう1つは、「ご縁」を大切にして、その都度自分が面白そうだと思った仕事を選択していくという考え方である。どちらの考え方にも一長一短がある。「目標」がはっきり決まっている人は、前者がいい。ただ、時間と共に自分がやりたいことが変わってくることもあるので、そのような場合はどう軌道修正するかが問題になる。一方、後者は「ご縁」を重視して自分が面白いと思ったキャリアを選択していくので、時代の変化と共に盛り上げっている分野のエキサイティングな仕事に就ける可能性が高まる。ただ行き当たりばったりの側面があるので、それまで自分が培ってきたスキルが活かせない支離滅裂なキャリアとなってしまいがちである。

この2つの考え方をハイブリッドにした第三の道がある。「目標」から逆算してどんなスキルを身につけるべきかを考えるものの、その「目標」自体は大まかにしか決めないでおく。それにプラスして「ご縁」も重視して選択肢を検討する。

キャリアのはみ出し方

①「それまでの自分」を一旦否定する
「自分らしさ」というものは、そのままでは社会で通用しないことの方が多い。目の前にある取り組むべき仕事に必要なスキルがなければ、自分らしさを発揮する余地などない。だからこそ、それまでの自分を一旦否定する必要が出てくる。

②グチを言うより結果を出すまでやり抜く
今の環境が嫌だから転職するのではなく、必ず結果を出してから転職する。そうすれば、誰もが認める実績の持ち主になる。そして、スキルだけでなく、諦めずに最後までやり抜いたという経験こそが財産となる。

③遊びにもコミットする
何でもいいのでプライベートにおいて本気を出して徹底的に取り組んでみる。そうすれば、仕事にもいい影響が生まれるし「自分らしさ」というものが見えてくる。

④何でもいいから本気になる
遊びでもコミットすれば自分なりの手応えを得られる。自分が心から熱くなって打ち込めるものには、誰しもオーナーシップを発揮する。このオーナーシップを発揮する経験を積むことは、リーダーシップにつながる。