エリートはほとんど本を読まない
ハーバードでもスタンフォードでも、学生たちはほとんど本を読んでいない。彼らは本を読むことを目的とせず、本をどう使うか、ビジネスの実践に重きを置いている。
ビジネスの世界で最も大切なことは、結果を出すこと。ビジネスにおける読書とは、実践とつながってこそ効果を発揮する。しかし、多くの人は、本から得た知見をビジネスの場で活用しようという視点が、圧倒的に欠けている。読んだページが、1ページであっても、1行であっても、それを実践につなげ、結果を出せれば、その読書は成功と言える。
読書量よりも実践が大事
本を読むと、課題の対処法を知ることができる。しかし、知識や情報を知ったからといって、課題がすぐに解決するわけではない。「知っている」と「できる」は違う。本を読んだだけでは、何も変わらない。何かをできるようになるには、何度も繰り返して実践することである。
ハーバード式10冊読書術
課題解決に焦点を絞った本の読み方は、次のとおり。
①自分の課題を解決する本を10冊だけ選ぶ
・直面する課題を解決するために読む必要がある本
・テーマに興味があって「実践してみたい」と思っている本
・将来の自分にとって有益だと思える本
10冊以外の本は、再読する可能性があるものは書棚にしまう。再読する可能性がないものは処分する。本を整理することで、自分の課題を整理し、棚卸する。
②「6つの基準」を参考に選ぶ
・「はじめに」と「おわりに」を味見する
・「教授」で選ぶ
・「注目している人」が読んでいる本を選ぶ
・「社会人向けの公開講座」の推薦図書を選ぶ
・「図」や「絵」が豊富な本を選ぶ
・「書店ランキング」を活用する
③10冊をデスクの上に置く
目の前の課題に合わせて10冊のリストは変化させていく。何ヶ月もそのままである必要はない。
④その都度、参照する
・アテンションをはっきりさせる
・リマインダーとして使う
・実践につなげる
⑤合わない本を処分し、空き容量を増やす
「捨てる」という物理的な作業をすると、自分の中の空き容量が増えて、新しいことがどんどん吸収できるようになる。本の整理のコツは「必要になったら、また買えばいい」と割り切ること。
⑥「自分ならどうする?」で読む
ビジネスの現場では、自分の意見を持つことが求められる。「自分が登場人物の立場だとすれば、どう判断し、実行に移すだろうか」という視点で物事を見る習慣は早くから身につけておいて損はない。
⑦課題と結果に、全意識をフォーカスさせる
本は、課題を解決するためのヒントや答えが書いてある箇所だけを読めばいい。今の自分に必要な内容や面白く読める内容が書いてあるところだけを読んで、残りは潔く読まない。