最も重要なものは「知識」である
MBAホルダーやマッキンゼーをはじめとするコンサルティング会社出身の人材はなぜ、様々な業界でパフォーマンスを発揮できるのか。一言でいえば、その秘密は「賢さ」にある。ここでいう「賢さ」とは、「知識量」と「論理力」である。基礎知識を土台に、雪だるま式に新たな領域の知識を短時間で身につけることができる。また、論理がしっかりしているので、誰も経験したことのない、普通ならお手上げとなりそうな課題にも勇敢に取り組み、精度の高い解やアイデアを出すことができる。
賢くなるために、最も重要なのは「知識」である。知識がなければ出来事や情報を解釈することができない。ビジネスに関係のない、不要な知識だと思っていたことが後々ビジネスに役立つことは多々ある。その意味で、知識、それも社会やビジネス全般に関係する膨大な知識を身につけることは、賢さを身につけるための必須条件である。
ビジネスで使える「知識」を増やす
知識があればより多くの物事を認識したり適切な判断を行ったりできるだけでなく、そこからさらに深い知識を身につけることも容易になる。知識があれば、他のビジネスパーソンも読んでいる日経新聞を読んでいても、より深いレベルで理解し、見識を広げ、他の人が持ちえない視点で説明することができる。
知識は、大学受験程度のものを持っているだけで、様々な場面で本質的な意見を言ったり、相手に「この人の話には耳を傾けよう」と思わせることができる。大学入試問題の科目には大学で学ぶような各論ではなく、「共通の知識のベース」が集約されている。
「論理」で知識をつなぎ合わせる
知識と知識を組み合わせ、新しい概念を提示するための接着剤が論理である。知識をつなぎ合わせる論理力があれば、確度の高い解釈を行い、次の行動を提案することが可能となる。
目の前で展開されている状況を踏まえ、自分の持っている知識を使って、論理的に仮説を組み立てる。こうして知識と論理が組み合わさって初めてインパクトのある発見が生まれる。
大学受験用の教材を使うことこそ最高の学習法である
知識と論理を学ぶにあたって、大学受験のやり直しほど効率的で、効果の高い学習法はない。大学受験用の教材を使うメリットは、たんに効率的に俯瞰できるということだけではない。最も重要な価値は「参考書には問題と答えがある」ということである。本当の意味で知識や論理を身につけたいと思うなら、論理的に考え、正しい答えを導き出すというトレーニングが不可欠である。しかし、自分で問いを立てながら本を読むのは簡単ではない。しかし参考書ではフィードバック付きのトレーニングができる。出題されている問題を考えて、それから解答を見て、考えた結果と照らし合わせる。この繰り返しによって知識が自分のものになり、記憶として定着していく。
問題集の問いになっている箇所を丸暗記する
知識を得ることは、物事の本質を理解して誤解や的外れな議論を減らすことにつながる。政治・経済を学ぶことは、不完全な世の中をより良いものとするために、私たち1人1人に何ができるかをより正確に考えるきっかけになる。
経済用語や経済の理論で、ビジネスパーソンが教養として覚えるのであれば、参考書全体の20%で十分である。覚えるべき20%は、問題集で「問いになっている部分」である。効率よく重要な箇所を学習するためには、参考書を読むより先に、問題集で問いになっているところをまず暗記する。解答を見て、解答欄に赤字で答えを書き込んでしまい、その上で問題集を暗記するという方法がおすすめである。