最強の説得力 相手からすんなりYESを引きだす74の法則

発刊
2017年9月21日
ページ数
205ページ
読了目安
224分
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簡単に使える相手を説得するための方法
相手を説得するためにはどうすればいいのか。心理学の知見をもとに、簡単に使える説得方法を紹介している一冊。

相手を説得するには、まず伝える「かまえ」が必要

説得力というと、会話の中身や話し方にばかり関心がいくが、実はそうではない。説得力は、単に話の内容だけではなく、身体の動きや顔の表情、あるいは身だしなみなど、様々な要素が組み合わさって生み出されるものである。話し方「以前」に既に説得の成否は半ば決まっているようなところが大きい。

周囲への目の配り方や表情、姿勢、歩き方、眉間のちょっとしたシワから、目の輝きなど、私たちはそうした部分から多くのことを判断している。こうした要素に通底しているのは、会話しようとする相手の姿勢である。これを「かまえ」と呼ぶ。

「かまえ」とは「伝える気持ち」とも言い換えられる。自分の気持ちや言葉をどれだけ心から相手にわかって欲しいと思うか、その真摯さがそのまま、身体やその動き、口調などにも現れる。

相手を説得する「かまえ」のつくり方

心を開かねば、こちらの想いも相手の心には届かない。お互いに心の共通基盤をつくることが、説得の第一関門である。

では、どうやって「かまえ」を作るか。

①「かまえ」を意識する
身体ごと相手と向き合おうと努める、意識すると自然と「かまえ」が身につく。

②実際に相手と身体的なつながりを持つ
ハイタッチや握手、拍手のような身体的なつながりを持つと、話のないようにかかわらず相手を受け入れやすくなる。

③スポーツや飲み会をする
スポーツ、一緒に歩くこと、飲み会といったことも相手との共通基盤をつくるために有効な手段になる。

説得力のある人の3要素

説得力を持つためには「最低限の人格」を備える必要がある。そのための条件は3つ。

①常識を持っていること
社会人としての常識的なルールは、守ろうと思えば誰でも守れるもの。問題は、何が常識で何が非常識かをきちんとわきまえているかどうかである。

②フェアであること
美辞麗句ばかり並べられると、私たちは本能的に「何か裏がありそう」と警戒する。むしろ「実はこういう欠点もある」と正直に伝えてもらった方が、信頼できるし安心できる。

③本気で向かうこと
「いい関係を築きたい」と本気で思っても、ただ思っているだけではダメで、それを相手に示す必要がある。まず相手のことを考え、自分ができることを提示する。そうした「思いやり度」の深さに本気度が表れる。

相手をその気にさせる3つの会話の技術

人は、相手から何かをもらったら、何かをお返しする。お返しをしなければ負い目を感じてしまう。この「返報性」は説得にも利用することができる。「返報性」を活用した具体的な説得術は次の3つ。これらをマスターすれば、説得力は確実に上がる。

①リアクションを大きくする
自分が聞き手になった場合、リアクションを大きくすることで、話し手の心象をよくすることができる。なぜなら、こういう人が相手だと、相手は話しやすいからである。全く賛成できない発言であっても、まず大筋で同意するような素振りを見せ、その上で軌道修正を図る。

②質問を織りまぜる
私たちの脳は質問を受けると、つい素直に答えを出そうとする性質がある。何かを問われれば、意識せずともその答えに思いをめぐらせてしまう。相手のニーズを尋ねたり、商品の印象や感想を問うたりすることによって、相手も自分のこととして考えるようになる。

③選択肢を用意する
回答を限定し、意思決定の負担を軽減させてあげることで、相手との交渉ごとを前に進めることができる。選択肢を用意することの利点は、相手に回答を選ばせるという公平感がありながらも、実は回答を用意した質問者の意思を最大限に反映させられる点にある。