♯HOOKED 消費者心理学者が解き明かす「つい、買ってしまった。」の裏にあるマーケティングの技術

発刊
2017年6月26日
ページ数
272ページ
読了目安
370分
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無視されない効果的なメッセージの作り方
人を動かすメッセージ、広告を作るにはどうすればいいのか。
心理学に基づく効果的なメッセージの作り方を紹介している一冊。

気づかれる、目に止まるだけで、行動に大きな影響を与える

メッセージが効果を発揮するためには、受け手の無意識に働きかけるアプローチが必要だ。心理学の法則を活用して、まず気づかせ、記憶させる。そして、態度を変えさせようとするのではなく、行動の変化の方を促すべきだ。

大抵の場合、態度と行動のつながりは弱くて一貫性がない。行動の大部分は、無意識の要素に動かされている。人が自覚的に広告を好きだと言うかどうか、メッセージに賛同するかどうか、それ自体は大きな意味を持たない。大事なのはメッセージが思い浮かべやすい状態になっているかどうかという点だ。

効果的なメッセージには、感情を強く動かす要素(覚醒度)が重要な役割を果たすことがわかった。例えば、興奮させたり、関心をぐっとつかむような動画であれば、バイラルになりやすい。

10のHOOK

刺さるメッセージを作るには、次のうち少なくとも1つを取り入れる。

●STEP1:気づかせる
①プリミティブにする
・食べ物に関連する画像や言葉。特に高カロリーなもの
・セックスをほのめかす画像や言葉、身体的に魅力のある人物の画像
・顔。単純なイラストでもいいし、顔文字でもいい

②感情をわしづかみにする
・「愛」のような、感情に関係する言葉
・感情的な顔、感情に強く響く言葉
・子犬、子猫、赤ちゃんなど幼児を思わせる構図になっているもの
・ヘビ、クモ、サメなど、生命にとって脅威となるもの
・バイオレンス
・その他、良い意味でも悪い意味でも感情に強く響く刺激

③私のこと?と思わせる
・顔、名前、イニシャルなど受け手にとってパーソナルなもの
・一人称
・有名人や季節の行事など、その時多くの人の頭に浮かびやすいもの
・受け手の性格や嗜好に合わせてカスタマイズした情報

④サプライズを駆使する
・音、特に大きな音
・動画。特にカット割りの多い映像や場面の変化があるもの
・色、動き、音などで、周囲とコントラストになった刺激
・パターンを壊す刺激、予想を裏切るもの
・見たことがないもの
・文脈から浮いているもの

●STEP2:考えさせる
⑤ミステリー要素を加える
・解かなければならないパズル、なぞなぞ
・すぐには意味がわからないもの
・情報を隠して、もっと知りたいと思わせる
・問いかけ
・思わず気になってしまうメタファー

⑥ハードルをとことん下げる
・メッセージはできるだけ短くする
・単純で具体的な言葉
・できるだけ画像を使う
・重要な部分がわかりやすいデザイン
・受け手の努力を要さない
・「これをしましょう」と促す提案

⑦物語の中を歩かせる
・主人公が目標達成を目指す物語
・起承転結をはっきり含むものにする

●STEP3:行動させる
⑧記憶にこびりつかせる
・重要な部分を反復する
・重要な部分を、メッセージの最初か最後に配置する
・重要な部分が、一番強く感情に響くようにする

⑨思考回路をショートカットさせる
・希少性を伝えることで、「すぐやらなきゃ」と緊急性を持たせる
・社会的証明を使って「皆、普通はこれをやる」と思わせる
・権威を示すヒントで、指示を受け入れやすくする
・贈り物をして、お返しの行動をさせる
・好意を持たせることで、そのメッセージを受け入れやすくする
・コミットメントと一貫性で、受け手を誘導する

⑩プライミング効果を駆使する
・何らかの発想を受け手の頭に植え付け、行動を変えさせる