大学教授のポストに空きがでる
進学率が高まり、大学志願者が大量に押しよせた「大学バブル」が崩壊した2009年から2016年までに、大学教員(教授+准教授+専任講師+助教・助手)数は、17万2039名から18万4248名と増加している。2017年まで、18歳人口が減ってきたにもかかわらず、大学進学率は減少に転じなかったからだ。しかし、進学率は、大学と専修学校等を合わせると、既に80%を超えているため、これ以上の拡大は難しいだろう。
少子化という人口動態を考えて、大学教授の雇用という点に絞れば、簡単に「大学教授になれ」と声をかけることはできない。しかし今、大学バブル期に就職した大量の教授が、どんどん退職している。ポストが空き、特需と呼ぶべき流れが生まれている。大学教授のポストは、よほどのことがない限り、このままの定員枠でも、30〜40年間は需要が続く安定期だと予測できる。
大学教員のスタートはどこでもいい
大学教授(教員)のスタートするためには、チャンスさえあれば、どこへでも行くという心つもりが必要だ。過疎地の大学でもいい。重要なのは、待遇や教育・研究条件ではない。重要なのは定職を得ることであり、実績(講義の充実、研究、著書を出す)をあげることだ。
大学教員は、本人に大きな欠陥や失敗がない限り、多少の遅延はあっても、エスカレーター式に昇級する。そして、着実に実績を上げると、多少とも自分の好みにかなう大学に移籍のチャンスが増える。
大学教授になるためには資格も学歴も必要ない
大学教授になる唯一無二の方法は、他に何がなくても、良き研究をし、それを論文にすることだ。失敗論文を書いたとしても、何度でも改良可能だ。研究を深め、見識を広め、改良に改良を重ねることで、良き論文は生まれる。
日本の大学教授になるために資格は必要ない。学歴も不要で、偏差値45〜50程度でもなれる。問われるのは、研究教育能力があることを証明する実績だ。特に重視されるのは学術論文である。
大学教授になる方法
①大学院博士課程を出る大学教員に採用される最短コースは、博士論文を書き、博士号を取ることだ。9年で、卒論・修論を含め、論文が3本できあがる。これで最初の業績ができあがる。
②大学院修士課程を出る
修士課程を出て大学教授になるのは、博士課程を出て大学教授になるより、はるかに難しい。修士課程在学中から研究者としての抜群の能力を示す者は、すぐに「助教」に採用され、研究・教育に専念できるケースが多い。
③大学学部卒業の資格で大学生を教える
大学教授の本務に「教える」ことがある。実験・実習の助手として、キャリアを始める人も少なくない。研究活動を行い、その成果を評価されれば、講師、助教授への昇格も不可能ではない。
どんなに優れた研究・教育者と言えども、候補者を教授に任用するかどうかは、教授会の決定による。逆に言えば、どんなに劣悪な能力の者と言えども、教授会が採用「諾」を決すれば任用される。
社会人が大学教授を目指すための7則
①思い立ったらすぐ取り掛かり、スピード感をもって取り組む②これまで身につけた専門知識や技術にとらわれすぎない
③チャンスがあれば、大学院を出る
④学術論文発表のチャンスを逃さない
⑤研究を日々持続する
⑥毎日が研究日の習慣を獲得する
⑦例え、非常勤講師といったポストでもチャンスがあればゲットする