顧客を説得する7つの秘密

発刊
2017年10月19日
ページ数
320ページ
読了目安
364分
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顧客の無意識をコントロールして説得する!?
人は無意識に選択をする。脳の無意識に注目したマーケティング「ニューロマーケティング」の知見を紹介している一冊。

人は意識的に何かを選択するわけではない

科学的証拠によると、意識はあくまで副次的な役割しか持っていない。人間の頭には2つの異なる思考プロセスが存在する。

①自動システム(無意識)
②熟考システム(意識)

自動システムは私たちの選択全てに影響し、多くの場合唯一の影響因子である。この自動的な無意識の根幹は、人が古くより持つ脳の構造、トカゲや全ての脊椎動物と共有する部分にある。その基礎的な働きは、快感を追い求め苦痛を避けること。この自動システムは「内なるトカゲ」と呼ばれる。内なるトカゲは私たちがそれを意識する前に、瞬発的に、勝手に動き出す。そして私たちは自分からそれを止めることができない。

広告、宣伝、説得のコツは、この「トカゲ」をどう上手に扱うかにかかっている。

顧客を説得する7つの秘訣

無意識はあらゆる行動において重要な役割を担っている。他人を「その気にさせる」には、相手の無意識に働きかけることが最も有効である。そのための秘訣は次の通り。

①「トカゲ」の言葉を話せ
トカゲを説得するためには、その言葉を喋るようにする。

1. 思いつきやすさ
無意識は頭に最も簡単に浮かぶ物事や人々に注意を払い、それが重要だと考える。

2. 連想
人はある概念から別の概念を連想し、それがまた別の物事を想起させる。連想行為を止めることはできないが、それに手を加えることはできる。

3. 行動
トカゲは、行動の動機ではなく振る舞いそのものによって相手を判断する。

4. 感情
無意識は感情を通じて望むものを伝え、好みや嫌悪感、恐れ、幸せと行った情動に左右される。

5. 他人の好み
無意識は他人の好き嫌いや振る舞いを参考に自分自身の好き嫌いや、自らの選択への評価を下す。

②考えではなく行動を狙え
相手の考えではなく、行動を狙うようにする。ほとんどの行動は突発的で、よく考えられる前に行われている場合が多い。自分の望むような行動を取らせる最も簡単な方法は、状況を変え、その行動がより自然で普通でそれ以外にしようがないよう思わせることだ。行動に注目し、その行動がトカゲにとって魅力的であるようにする。

③望みを変えるな、望みを満たせ
相手の望むものを変えようとするのをやめ、望むものをどうすれば手に入れられるかを示せば、メッセージは全く違ったものになる。

④尋ねるな、掘り起こせ
人々になぜそれが欲しいのか、何が一番重要だと思っているかなどと尋ねてはいけない。人々は答えを知らないが、知っていると思い込んでいる。公式でも非公式でもいいので基本的な調査を行うことで隠された動機を掘り起こすように努める。すでにその行動を行なっている人々が、何をその行動と結びつけているのかを調べる。

⑤感情に訴えろ
特性ではなく感情に目を向ける。

⑥経験に先行して期待を作り出せ
認知は内なるトカゲによって無意識に行われる。事前の期待や予想が実際の認知に影響を与える。その予想を変えることで、実際の経験を変えることができる。ターゲットの中に自分が望む通りの期待を作り出してあげればいい。

⑦ひと工夫しろ
誰を説得するにしろ、言葉のあやをうまく使うとよい。相手が聞きたいと思えるようなメッセージを作るようにして、相手が自分では補完できないことのみを伝えるようにする。言葉にひねりを効かせて、聞き手との間に共謀関係を築く。