2軸思考とは
複雑な問題をシンプルに「構造化」し、書き出して「見える化」する。このたった2つのことを満たしていれば、あらゆる問題は解決することができる。本当に頭のいい人というのは、複雑な問題を複雑なまま解くことができる人ではなく、複雑な問題を誰でも解けるくらいの簡単なレベルまで分割できる人である。
「あらゆる問題を、タテとヨコの2軸で整理して考える」という方法を「2軸思考」と呼ぶ。タテとヨコの2本の線を引くだけで、あらゆる問題を一瞬でシンプルに整理し、解決できる。2軸でシンプルに整理すると、その問題の重要なポイントがクリアになるので、重要なポイントに集中して深く考えることができるようになる。その裏返しで「重要でないこと」も明確になるので、考える必要のないことは切り捨てることができ、解決までのスピードが速くなる。
最速で問題を解決する3原則
①考える枠を決める白紙のゼロベースではなく、考えるべき「枠」を作ることで、誰でもその「枠の中」に集中して考えることができるようになる。最初にどのような枠にするかを考えることが重要となる。
②全体像を捉える
仕事をする上で大切なのは、まず全体を把握し、その中から重要度を見極めること。最初に仕事の全体像を押さえた上で到達すべきゴールを決め、そこから逆算して手段や到達方法を考える。
③ムダに考えない
全体像を把握した後、一番良くないのが、なんとなく全部を考えること。完全に時間のムダである。重要なものだけを選択し、集中して掘り下げる。
「2軸フレームワーク」の作り方
①考える目的に合わせて枠のタイプを決める最初に、考える目的を明確にし、3つのどのタイプを使うかを決める。
1.「マトリクス」タイプ
2.「4象限」タイプ
3.「グラフ」タイプ
②タテ軸とヨコ軸を決める
目的に合わせた2軸のタイプを決めた後、2本の線=タテとヨコのそれぞれの軸を何にするのかを決める。軸となるのは「要素」と「流れ」のどちらかになる。
③枠に情報を埋める
枠の中には「定量情報:数字」「定性情報:数字以外」のいずれかを入れる。
「マトリクス」タイプ
一番の特徴は、全体を俯瞰することができること。「問題の全体を捉えたい」「複数の選択肢から意思決定のために優先順位をつけたい」といった場合に有効である。
①2本の線を左上で交差させる
②「要素×要素」か「流れ×要素」のパターンを選ぶ
・タテ軸、ヨコ軸共にMECEで洗い出す
・要素の数は「タテ軸>ヨコ軸」とする
・流れ(時間・フロー)はヨコ軸で7項目以内に収める
③なるべく「定量情報」を埋める
・ムダな枠は埋めない
「4象限」タイプ
「ポジショニング」や「全体の分散の傾向」を捉える。
①2本の線を引いて真ん中で交差させる
②最初の段階で多くの要素から2つの要素だけ選択して軸にする
・最初に「仮説」を立てる
・上と下、右と左には「正反対の要素」を入れる
・右上に「良い要素」、左下に「良くない要素」を入れる
・線を足した9象限を使わない
③データがある時には定量情報を使い、アイデアを出したり、課題を洗い出す時には定性データを埋める
「グラフ」タイプ
「変化」を表したり捉えたりする。時間経過と共に売上の遷移を示したり、アクションステップごとの効果を見える化する時に使う。
①2本の線を左下で交差させる
②基本的にヨコ軸に流れ、タテ軸に大きさを設定する
③グラフのタイプを使い分ける
「折れ線グラフ」「棒グラフ」「ヒストグラム」「パレート図」「構成比率棒グラフ」「ウォーターフォールチャート」など