情報よりも実行
行動するより完璧な解決策を探すことに時間をかけ過ぎ、考え過ぎや分析し過ぎによって行き詰まってしまう人は多い。情報過多や考え過ぎで、前に進む助けになるはずの簡単な決断を先延ばししてしまう。この原因は、多くの人が、情報そのものに価値があると信じて育ってきたからだ。より多くのことをより深く知るほど、より大きな成功をおさめられるはずだと思う。そして、一定の努力をするが、すぐに結果が出ないと失望し、諦めてしまう。
急速な変化を遂げつつある世界で肝心なのは、柔軟性と先を見越した戦略だ。必要なのは、より多くの情報ではない。適切な問題の解決につながる、適切なタイミングで適切な情報を学ぶための規律あるプロセスだ。これを「リーン・ラーニング」と呼ぶ。リーン・ラーニングとは、基本に立ち返り、子供が学ぶように学ぶことだ。必要なのは、その問題を解決するために欠かせない最低限の知識、情報を行動に変える意志、そして困難に直面しても諦めずに粘り続けるレジリエンスの強さだ。
リーン・ラーニングは、次の4つのステップを中心に構成される。
- 次に達成したいことを明確にする
- 前に進むために必要なことだけ学ぶ
- 学んだことを実践する
- 振り返りを行い、プロセスを改善する
重要なのは、単に答えや情報を持っていることではない。その情報を使って何をするか、つまり実行だ。行動を伴わない情報は無駄である。
目標を明確にする
大量の情報に接していると「インスピレーションの過剰摂取」につながり、どの道を選択すべきか選択が難しくなる。そこで、インスピレーションを管理しやすい領域に分類することで、優先順位をつけ、明快さと目的をもって行動する。
- 純粋な楽しみ(熱量高×優先度低):自分の感情や思考を冷静に観察し、選別する。広げるのではなく、深く掘り下げる
- 情熱の追求(熱量高×優先度高):より深く集中できるように情熱の対象を厳選する
- ごみ箱行きのひらめき(熱量低×優先度低):時間やリソースを取られないように拒む
- 果たすべき責任(熱量低×優先度高):責任感と効率性をもって取り組む
すべては、自分が正しい方向を向いていることを確認し、オープンな姿勢で学ぶことを誓い、目指す目標へ向けて全力を尽くすことから始まる。
情報よりも行動を選択する
インスピレーションを目に見える進歩に変えることができるのは、行動だけだ。情報が溢れる世界に追いて、真の課題は、より多くの洞察を集めることではない。最初の最も重要な1歩を踏み出す決断をすることにある。
次にとるべき一手を正確に特定するためには、次のシンプルな1つの問いから始める。
「イフ・イージー?(もしこれが簡単なことだったとしたら、それはどのようなものになるだろうか?)」
この問いは私たちに、学びや創造を始めるのに完璧な条件が揃っている必要はないという気づきを与えてくれる。今どこにいようと、どのような条件であろうと、スタートを切ることができる。
私たちがついやってしまう必要以上の学習は、行動の妨げになる。本当に必要な情報が何かは、行動を起こした後にはっきりする。失敗は、成長の第1歩だ。私たちは完璧ではないし、失敗もする。そのおかげで、より早く学ぶことができる。
失敗は成功に欠かせない1つのプロセスだ。失敗には次の3つのタイプがある。
- 基本的な失敗:「正しいやり方」がわかっているにも関わらず、それを実践しないケース
- 複雑な失敗:複数の要因が絡み合うことで新たな複雑さが生じ、その結果、よく知った状況下でも失敗するケース
- 知的な失敗:未知の領域で新しいことを試みた際、想い通りの結果が得られないケース
重要なことは、賢く失敗することだ。潜在的な利益が大きく、失敗したとしても被る損失が小さいやり方を選択するのだ。誤りがより深い理解を促してくれるのは、主に即時にフィードバックを得られるからだ。抽象的で現実世界の状況に直結しないこともある理論上の知識とは異なり、ミスはうまくいかないことについて具体的な教訓を与えてくれる。このフィードバックは、成功した時よりも正確に私たちを次のステップへ導いてくれる。
サポーターと関係を築く
大きなことを成し遂げるには、サポーターの存在が欠かせない。何を目指すにしても、味方となる「正しい人」がそばにいるかどうかが大きな違いを生む。
サポーターのコンセプトは、一方的にサポートを受けることだけを意味しない。サポートを与えることでもある。つまり、全メンバーが貢献し、同時に恩恵を受ける互恵的な関係こそが、コミュニティの強さになる。弱さを受け入れ、他者に手を差し伸べることで、自らの成長を加速させるだけでなく、他者との価値ある協業と支え合いの機会を生み出せる。