男女の対話スタイルの違い
女性は、ことの発端から語りたがる。男性は、最初にゴール(話の目的あるいは結論)を知りたがる。つまり、話の流れが真逆なのである。スタートから時系列に沿ってプロセスを語る女性脳と、ゴールから遡る男性脳。これらが相容れるわけはない。
しかも、女性は共感を頼りに文脈を紡ぐ。女性脳は、プロセスを語るその裏で「何が真実か」を探る演算を無意識のうちに行なっている。ことの経緯を語るうちに、そこに潜む真実に気づき、人間関係のひずみや、自分の失言などに気づいたりするのだ。その際に重要なのは、思う存分経緯を思い出すこと。そもそも女性脳は五感をフル回転させて状況認識しているので、それらの記憶をしっかり解凍して、リアルに再体験することが大切なのである。そのためには、話の腰を折ってもらっては困る。
女性脳の真理演算を推進するためには、共感してあげることに尽きる。
いきなり結論はNG
一般的に、男性は問題解決のために対話を紡ぐ。相手が状況を語り出したら、その対話の意図を探り、素早く「解決すべき問題点」を洗い出そうとする。優秀な男性脳ほど「省エネ型」なのである。枝葉末節に心を乱されることなく、全体の主幹をシンプルに捉えようとする。
反射的に自分の心情より、公平性を遵守するのが男性脳である。女の主観に寄り添うよりも、公平に状況を俯瞰する。女の着地点のわからない経緯語りにうまく共感しながら、寄り添うことは難しい。このため、「何が言いたいんだ?」と、つい話を遮ってしまうのである。
女は問題解決は自分でする。経緯を語り尽くしたのに、どうにも答えが出ない時だけ、救いの手を必要とするのである。このため、経緯を語り出した時には、気持ちよく着地までもっていくしかない。
共感がすべて
男性は、遠くと近くを交互に見て、距離感をつかむ。ものの輪郭をいち早くつかみ、その構造を理解する。女性は、比較的近くにあるものの表面をなめるように見て、針の先ほどの変化も見逃さない。このため、デートをした時、女性は男性が注意力散漫に見えてしまう。自分にしっかり集中してくれていない、愛が足りないと感じてしまう。
よく「女性は感情的、男性は論理的」と言われるが、女性は「感情の一部がことさらに強く働き、共感によって余剰ストレスを解消するメカニズムで日常の自己保全情報を獲得しているので、周囲の共感が得られなければ、余剰ストレスの処理に失敗し、感情的になるように見える。
女の機嫌の直し方
①とにかく共感女性に接する時、最も気に留めておくべきは、とにかく共感することである。「いきなり問題解決」は、大抵の場合、仇になる。相手の言葉の反復と同情を返すこと。
②ちょっと、いじる
何でもかんでも共感してくると、さすがに軽いし、反感を買う。程よく共感、ちょっと、いじるが正解。いじることは、相手に関心があることの証だから、十分な共感の後なら、決して悪い気はしない。
③相槌「あいうえお」
「あ〜、そうなの」「いいね、それ」「うんうん、そうなんだ」「え、そうなの!?」「お、そうきたか」のように、あいうえおの感嘆詞をつけると、相槌のバリエーションが一気に広がる。
④いきなり弱点を突かない
女性から何か提案があった時、いきなり問題点を突いて、一刀両断にしないこと。この行為は、女性たちのモチベーションを壊滅的に下げてしまう。
⑤成果ではなく、過去時間をねぎらう
女性のモチベーションを上げようと思ったら、成果を褒めるより、経過をねぎらう方が効果がある。
⑥謝る時の鉄則
女性の機嫌を直す時には、真摯に謝るしかない。その時、彼女の気持ちに言及して謝るのが基本である。