ChatGPTに1本化する
AIツールは数多くあるが、まずはChatGPTに一本化しておくと、組織浸透とその後の拡張がスムーズになる。最初の1つにChatGPTを勧める理由は次の通り。
- 経営者と共に「深く考える」動きも含めて、文章作成・調査・整理・計画など幅広い用途に対応する設計になっている。
- 対話形式で指示を出すだけで使えるため、ITが苦手な社員でもすぐに慣れる。
- データを学習に使わない設定、管理者機能など、安全運用に必要な仕組みが揃っている。
- CopilotやGeminiなど用途別ツールを、後から併用できる。
- 「社長+コアメンバー」で始めてから社内展開できるため、導入の負担が小さい。
ChatGPTを共通基盤にすれば、学びやすさ・運用のしやすさ・広がりやすさのバランスが取れる。まず動き出せるかが勝負である。
使いこなすための6つの基本知識
生成AIを活用して効果を出すためには、以下の6つの変数(基本知識)を知っておくことが重要である。
- モデル:AIのバージョンとその特徴を知ることで、そのモデルが十分か判断できる。
- 設定:データコントロール設定、メモリ設定、多要素認証設定の3つを使用前に設定する。
- データの学習:自社データでチューニングする、プロンプトで自社業務に特化させることがポイントになる。
- カスタマイズ:「話し方・性格・目的・答え方」まで会社や経営者の考え方に合わせてカスタマイズする。
- プロンプト設計:指示(プロンプト)が曖昧だと期待した成果が出ない。
- 活用目的・運用設計:使い方・タイミング・役割分担を明確にしておくことが成果を左右する。
「AIを入れたから変わる」ではなく、「AIをどう使えるように設計するか」が変化を生む。
最初にやるべき初期設定
生成AIを安全かつ効率的に使うために、最初に必ずやるべき3つの設定がある。
- 「AIに自社データを学習させない」設定
この設定を怠ると、社外秘や顧客情報がAIの改良用データに含まれてしまうリスクがある。 - 「メモリー機能」をオンにする
営業資料、議事録など、毎回似たような作業を行う業務では、この機能をオンにしておくと、AIが以前の情報を踏まえて回答するため、業務スピードが格段に上がる。 - 「多要素認証」を有効にする
アカウントの乗っ取りや、不正アクセスのリスクを防ぐ。
人とAIの役割分担を整理する
経営において大切なのは、AIの強み「処理と生成」と人の強み「目的と判断」を正しく理解し、それぞれの得意分野を活かして分担・共働させること。この2つの強みを明確に分けて活かすと、仕事のスピードと質が変わる。
- AIに任せるべき作業:「集める・まとめる・形にする」作業
- 人が担うべき仕事:「考える・選ぶ・決める」仕事
AIは「人の代わり」ではなく、「人の拡張」だと理解することが大切である。
経営の質と速度を向上させる6つの基本機能
ChatGPTは6つの機能で整理し、それぞれ経営の現場で使うことができる。
- 音声入力・アドバンスドボイスメッセージ機能
出張中・車中・移動時間を使って思考の整理・次の打ち手の検討ができ、生産性が向上する。 - マルチモーダル機能(画像・音声・テキストの複合入力)
「現場の写真をアップして改善提案をもらう」「ホワイトボードの議論を写真で撮って整理する」「試作品画像から改良点を抽出する」など、視覚・手動情報をAIに活用させて業務を加速できる。 - 画像作成・デザイン出力機能
「キャンペーン用バナーを瞬時に作る」「社内資料を即時で視覚的に整える」といった場面で使える。 - DeepResearch機能・エージェントモード
新規事業の市場調査をAIに任せ、競合分析からプレゼン資料作成まで自律的にこなすAIを活用し、経営判断をスピードアップする。 - 自社専門AI・プロジェクト機能
「会計・財務」「人事・採用」「マーケティング」のようにテーマ別にプロジェクトを分けてAIを運用できる。社内専用AIとして、過去契約書・見積書・資料を学習させ、社内業務に特化させる。 - 編集・資料整備支援(キャンバス機能)
議事録・提案書・戦略資料を「言葉から図へ」「図からスライドへ」と変換する作業をAIと一緒に行えるようになる。
「この機能をどう使って成果に結びつけるか」を設計することが重要である。
指示の出し方で意識すること
AIへ与える指示(プロンプト)の出し方は、次の5つの原則を理解しておけば成果を出せる。
- 目的:まず「何を知りたいか・何を解決したいか」を明確にする
- 背景:「なぜ知りたいのか・誰のためなのか」背景を伝える
- 条件:条件・要件をできるだけ具体的に伝える
- 役割:AIに役割と話し方を指定する
- 対話:完璧を求めず、まず試し、対話を重ねる
AIを賢くするのではなく、自分が「どう伝えるか」を磨くことが大切である。