忙しい人に読んでもらえる文章術

発刊
2025年9月3日
ページ数
252ページ
読了目安
355分
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科学的に裏付けられた効果的な文章術
忙しい読み手がどのように情報を処理するかという行動科学の知見をベースに、読まれるための文章の書き方を解説している一冊。

メールやチャットなど、文章を書くあらゆる場面において使える、相手に伝わる文章のテクニックが紹介されています。読みやすい文章が、必ずと言っていいほど抑えられているポイントがよくわかります。
普段、文章を書く時に注意するだけで、格段に効果を発揮します。

読み手を理解する

効果的な文章を書くための第一歩は、時間と注意力の不足が忙しい人々の読み方にどういう影響を与えるのかを理解することだ。メールやチャット、SNSのような短いメッセージであれ、文章を前にするたびに、読み手の心理は4段階のプロセスを辿る。

  1. メッセージを読むかどうかを決める。
  2. 読むと決めた場合、いつ読むかを決める。後回しにすることもある。
  3. 実際にメッセージを読む時、どれくらいの時間と注意を費やすかを決める。
  4. 対応が必要なメッセージの場合、対応や行動を取るかどうかを決める。

効果的な文章を書くために必要なのは、この短時間ながらも厄介な4つの関門をうまく切り抜けることだ。効果的な文章を書くための6つの原則に従えば、忙しい読み手にはっきりと考えを伝えられるようになる。

 

6つの原則

①少ないほどよい

単語、内容、依頼の少ないメッセージほど読まれやすい。簡潔な文章を書くには、いらない言葉、文章、段落、内容を削る意志が必要である。

  1. 「言葉」を減らす:言い換えは、ほとんど同じ意味を保ちつつ、言葉を減らせる
  2. 「内容」を減らす:重要なポイントを残し、伝える内容の数を減らす
  3. 「依頼の数」を減らす:目標に優先順位をつけ、相手にお願いすることを減らす

 

②読みやすくする

読みやすさを測る基準は「使われている単語の種類」「文章の長さ」「文章全体の構造や構文」によって決まる。短くてありふれた単語や、簡潔でシンプルな文章ほど本質的に読みやすい。

  1. 「短くて一般的な言葉」を使う
  2. 「ストレートな文章」を書く:読み手が1回読んだだけですんなりと意味を理解できる文章を書く
  3. 1文を「短く」する

 

③見やすくする

メッセージを見た時に、メッセージの目的、主旨、構造がパッとわかるようにする。読みたい内容や飛ばしたい内容、流し読みしたい内容が一目で見分けられるように、言葉の配置を工夫する。

  1. 重要な情報が「一目でわかる」ようにする:書き手自身の目的を明確にする
  2. 別々の内容は「分けて」書く:最も視覚的にわかりやすく伝えるには箇条書きを使う
  3. 「関連する内容」をまとめる
  4. 内容を「優先順」に並べる:リスト最初の項目が最も注意を惹く
  5. 「見出し」をつける
  6. 「ビジュアル」を使う:効果的なグラフィックを使う

 

④書式を生かす

下線、太字、斜体、箇条書きなどの書式変更を、文章に彩りを添える材料として捉える。但し、使いすぎないこと。

  1. 書式の意味を「読み手の期待」に合わせる
  2. 最も重要な内容に太字、下線、ハイライトを使う
  3. 書式を「むやみに」使わない:忙しい読み手は書式設定された内容しか読まないと想定して書く

 

⑤読むべき理由を示す

読み手に最も興味を持ってもらえそうな部分を戦略的に強調し、メッセージを読んだ方がいいと思う「根拠」を明確に伝える。

  1. 読み手にとっての「読む価値」を強調する:人は自分に直接の影響を及ぼす物事に、より多くの時間と労力を費やす
  2. 「どういう人に読んで欲しいか」を強調する:メッセージのターゲットを絞る

 

⑥行動しやすくする

忙しい読み手の多くは、今すぐ行動するのは負担が大きすぎると判断する。大事なのは、依頼をなるべく実行しやすくすることだ。

  1. 「行動のステップ」をシンプルにする:相手が気軽に行動できるようにし、必要なステップの数を減らす
  2. 「行動に必要な情報」をまとめる
  3. 「集中力」をなるべく使わせない:多すぎる選択肢を提示しない

 

 

参考文献・紹介書籍