まず貯蓄を始めること
できるだけ若い時からコツコツとお金を貯めることは、自分の人生設計をすることと同じように重要である。
金持ちになる早道は、支出を収入より少なくすること。そうすれば、お金を持っている。この法則は、卒業したばかりの若者だろうと、大金持ちだろうと誰でも当てはまる。但し、節約しようと思いすぎてもいけない。どうすれば節約が習慣となり、持続できるか、自分に合った方法を探すこと。
節約の第一歩は無駄遣いをやめること。自分の収入以上に浪費する生活、特にクレジットカードの使いすぎをやめることだ。そして、「カードローンに頼るな」ということは鉄則だ。
「72の法則」
ゆっくりと確実にお金を貯める秘訣は、投資で得た利益を再投資(複利)にある。お金が2倍になる年数は「X(2倍になる年数)×Y(リターン年率)=72」となる。
例えば、お金を10年で倍にするには、10×Y=72なので、Y=7.2%となる。このルールを使って、あるリターンの時、自分のお金が倍になるには何年かかるかを計算できる。例えば、8%のリターンがあるとして、資産が倍になるには9年かかる。
再投資の威力は、若いうちから投資すれば発揮される。投資をするにはタイミングが大切だが、タイミングよりもいつから投資を始めるかが重要である。
シンプルな投資法
資金計画においては、シンプルで明確な目標を立て、それに従って実行することが大切である。投資手段として、手数料の安いインデックス・ファンドを使う。インデックス・ファンドは株式市場のすべてを、銘柄を選ばずに単純に買うものだ。
インデックス・ファンドへの投資は、個々の株や債券に投資するアクティブ運用ファンドよりもリターンは高い。ほとんどの投資家は、株式市場の平均以上に良い成績を出すことはできない。プロのマネジャーは全体として、自分の運用手数料と売買コストの分だけ市場に勝てない。
インデックス・ファンドの大きな強みの1つは、税金面で有利なこと。長期にわたって保有するので、さし当たって売買益は出ず、課税対象となる収入も出ない。手数料と税金を考えると、アクティブ運用がインデックス・ファンドと同じ投資効果を上げるには、市場よりも年間4.3%も上回るリターンを上げなければならない。
インデックス・ファンドに投資する時には、国内普通株ファンドの場合は年間0.2%のものに限るべきだ。海外株を買うファンドは、手数料が最低のものに投資をとどめるべきだ。
分散投資せよ
株式投資でリスクを減らすために、幅広い業種にわたって数多くの銘柄を保有するように、資産の種類についても分散投資をする必要がある。その1つは債券だ。様々な債券に分散投資をするファンドに投資する必要がある。
ヨーロッパやアジアといったアメリカ以外の市場の株式に投資することからも、分散投資のメリットが受けられる。
特に大切な分散投資の原則は、時間差による分散投資だ。すべての資産の投資を1つの時期に集中してはならない。時間をかけて、コツコツと定期的に投資をすれば、リスクを抑えることができる。一定金額を毎月、または3ヶ月ごとに定期的に投資をすること、確実に株価が安い好条件の時に自分の資産を投資に回せる。
投資した後は、定期的に自分の資産の配分比率をチェックすること。これをリバランスと呼ぶ。リバランスをすると、投資資産のリスクを軽減し、多くの場合、リターンは増加する。