成功するビジネスパーソンの8割は神頼みをする
最もよく社寺に参拝する職業は「会社役員・経営者」である。「お寺・神社に関する意識調査」によると、80%の「会社役員・経営者」が神社とお寺のどちらかないし両方によく行くと回答している。神社での願掛けの内容を職業別に見ると、会社役員・経営者は、開運・運気上昇と金運アップを願う人が最も多い職業である。会社役員のような成功しているビジネスパーソンが特に神頼みに積極的なのは、データから明らかである。
そもそも日本の神様とは何か
日本の神様は大きく2パターンあり、「大自然」と「日本人のご先祖さま」である。大自然とは、太陽、月、山、風、海、水、雲など。また亡くなった人間を神様とするのも神道の特徴である。
日本の神様の役割を理解する鍵は「お名前」にある。須佐之男命、稲田姫命、大己貴命など、多くの神様のお名前に「命(みこと)」という文字が使われている。この「命」とは、「使命」を意味する。「命」を名前に持つ日本の神様は「使命」を持つ存在と言える。我々のご先祖さまは、神様という存在を使って、大事なメッセージ「命」を託している。そんな使命やメッセージを託された神様のいる神社に参拝して、子孫たる我々は神様の命を受け取る。この命こそが神様のご利益である。
神社参拝のご利益とは、神様の命、すなわちご先祖さまから託された使命やメッセージを授かること。よく社寺に参拝し、願い事をする人は、よく使命を授かる、すなわち「多くの仕事がくる」と見て取れる。ビジネスパーソンにとっての社寺参拝は、営業活動や社内でやりたい仕事がまわってくるための活動になっている。
社寺参拝の効果
社寺の存在は、人間一般への信頼を高め、人と強力的な関係を築く効果がある。社寺参拝が主に効果を発揮するのは、次の2点である。
- より誠実に、より一生懸命に取り組む
- 他者の利益のために動ける協力的な人間性を育む
企業経営と宗教、両者は全く関係なさそうだが、多くの日本企業は様々な宗教的行為を取り入れている。会社にいる人をやる気にさせる、協力的な風土をつくるのは大事なことである。神社のある会社は、社員の会社愛が増す。会社愛が増すと、貢献したい意欲も増して、より誠実に全力で仕事に取り組み、成果も向上する。
強運を呼ぶための祈り方
稲盛和夫氏は「力の限り努力すること」を祈った。松下幸之助は「今日1日、素直であること」を祈った。自身の「あり方」「あるべき姿」を神様に誓い続けるのが、経営の神様と言われたビジネスパーソンに共通の「祈り」である。
様々な著名人の祈り方には共通する次の2つのパターンがある。
- 自身の意志を神様に宣言すること(自力を出す力を高める)
- 神様の意志に沿うこと(他力に頼る力を高める)
「祈り」の3文字を漢字にすると「意宣り」「威乗り」になる。「意宣り」は神様に自分の意志を宣言すること。自分自身の決意や覚悟を、神様に誓い約束する。「威乗り」は神様の使命に沿うことを意味する。神様の威に乗るとは、自然の流れに沿い、ご先祖様や今を生きる人たちの思いに寄り添うこと。自然の威や人々の威にただ素直に乗ることである。
どちらの「祈り」も強運を呼ぶために大切である。
成功したビジネスパーソンの祈り方には、定期的かつ継続的な社寺参拝という共通点もある。定期的かつ継続的な参拝には、ある程度の自己コントロール能力が必要で、この能力を向上させる訓練の場にもなる。
神様を敬うことで成長する
神様は我々が敬うほどに力を増し、強力になった神様の働きで、我々の運も良くなる。神様を敬う動作は「頭を下げる」ことで表す。尊敬していない相手に対して、人は教えを自ら受けることはない。つまり、敬っていない相手から人は何かを受け取れない。神様の愛や知恵や命を受け取るには、その神様に対する敬意は必須と言える。
「ありのままに受容すること」は、挫折を成功につなげる最大のポイントである。挫折や失敗、不幸な出来事など、ネガティブな経験をした人が現実を受け入れると、精神的に成長する。
神仏参拝は、この「ありのままに受容すること」をサポートする。さらに挫折や失敗による「罪悪感」などの罪ケガレは、みそぎで祓える。心の弱い私たちだからこそ、神仏に参拝して、ありのままに受容する強さを身につけようとする。
参拝が必要な時は、挫折や失敗などで苦しんでいる時ばかりではない。うまくいっている時も参拝するといい。いいことが起こった時や調子のいい時に参拝するのが「お礼参り」である。いい時には「調子に乗りすぎ」と「自分だけうまくいって申し訳ないという罪悪感」の2つの問題点をはらんでいる。お礼参りは「感謝を伝える」ためだけではなく、上がり過ぎたテンションを下げ、うまくいった罪悪感を減らす。