ツイッターで学んだいちばん大切なこと

発刊
2014年9月25日
ページ数
328ページ
読了目安
455分
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ツイッター共同創業者はいかにサービスを作り上げたのか
ツイッターの共同創業者ビズ・ストーンが、ツイッターに参加して、サービスを作っていく過程を記した一冊。

『ツイッター創業物語』と合わせて読むと、ツイッターが生まれた経緯がわかります。

ブログこそが希望だった

「ウェブの会社を作ろうぜ」というノリで友人たちと最初に立ち上げたスタートアップ、ザンガは思い描いたような結果にはならなかった。一文無しの状態でニューヨークにいるのは疲弊する。疲れ果ててザンガを去った。クレジットカードの借入金は数万ドルになっていた。恋人と一緒に故郷のマサチューセッツ州ウェルズリーへ帰り、母親が暮らす家の地下にもぐり込んだ。仕事はない。

 

唯一の希望の光はブログだ。ザンガでパイラ・ラボ社のソフトを使っていた時から、パイラの創設者の1人であるエヴァン・ウィリアムズに興味を持っていた。ブログを書き始め、エヴァンのブログを読み、パイラが発表した新しいブログ構築ツールをいち早く試した。

ブログは第2の自分だった。架空の創作物だったといっていい。分身の天才ビズのブログは、自信に溢れた文を書き続け、フォロワーの数を増やしていった。

 

自分に挑戦するチャンスを

グーグルは2003年、エヴァン・ウィリアムズの会社、ブロガーを買収した。ブロガーは創設から4年の間に、ブログを限られたオタクの遊びから誰もが知る存在にまで発展させたが、エヴァンとは直接会った事もなく、電話で話した事もなかった。そこで、連絡を取ってみる事にした。すると、エヴァンもブログを読んでいてくれていた事がわかり、すぐに返信をくれた。「一緒に働きたいかい?」

 

ブロガーにきたのは2003年9月だった。2004年8月、グーグルは新規株式公開を果たす。入社の際、ストックオプションを付与されており、少しずつ借金の山は崩れていった。だが何かが足りなかった。ブロガーでの仕事には、日々自分に挑戦するチャンスが欠けていたのだ。このもやもやした気持ちを満たす手段の1つが、将来グーグルを離れた時に始めるプロジェクトについて、エヴァンと定期的に考えを出し合う事だった。「誰でも好きなものを録音できるシステムを作れないかな。それをサーバー上でMP3形式にする。録音したものを1ヶ所に集めて、公開するんだ。誰でも自分の作ったラジオ番組を持てるんだ」

 

自分のサービスが好きでなければ失敗する

エヴァンはグーグルを辞め、友人のノア・グラスと組んでポッドキャスティングの会社、オデオを立ち上げた。確かにグーグルは素晴らしいところだ。これ以上望めないくらいのボーナスも出る。でも、日々、挑戦していたかった。今の仕事で、自分の創造性を化石燃料みたいに、つまり大事に使わないと枯渇する資源みたいに扱っていないだろうか?

 

オデオは結果的に失敗に終わった。アップルがiTunesにポッドキャスティング機能を追加すると発表した。この展開はオデオにとって致命的な打撃になり得た。iTunesで済むところを、わざわざオデオを使う人がいるだろうか。だが、問題はそこではなかった。オデオを危機に追いやったのは、競合相手ではなく、別のところにあった。エヴァンも、オデオに加わっていた他のメンバーも、実際のところポッドキャストにあまり興味がなかった。聞く事もなかったし、自分達で録音したりもしなかった。自分達にはスタートアップを成功させるために必要な要素が欠けていた。自分達が作っているものを好きになれなければ、自分自身が熱心なユーザーになれなければ、その仕事は失敗する。

 

ツイッターの誕生

オデオにはジャック・ドーシーというプログラマーがいて、スタートアップのアイデアを話し合った。SMSを使って、自分のステータスを伝える短いメッセージをやりとりするシステムを作る。ポッドキャスティングに比べるとはるかにわくわくした気持ちになっていた。プロジェクトにつける名前は「ツイッター」となった。