話す 聞く 考える

発刊
2024年4月18日
ページ数
392ページ
読了目安
503分
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あらゆる仕事で重要となるビジネススキルのノウハウ集
「相手の話を聞いて、自分の考えを伝える」という、仕事や日常のコミュニケーションにおいて、基本となるスキルをわかりやすく教えてくれる一冊。

どのように物事を考えれば、説得力が高まるのか。どのように伝えれば、相手に伝わるのか。どのように聞けば、相手を動かすことができるのか。仕事ですぐに使える基本だが重要なスキルを学ぶことができます。

ファシリテーションの極意

リーダーシップにおいて1番大事なスキルは、聞く力とファシリテーション力。ファシリテーションの極意は4つある。

  1. 空気を作る
    その場の空気を作ろうと意識して、そこに向けていろんな行動をする
  2. 会全体の設計と事前準備
    会議の目的が何かを考えて、スタートからゴールへの流れを設計する。その上で、それぞれのテーマにおいて「テーマの共有」「広げて」「深めて」「キュッと締める」という4段階の流れをイメージして、どんな議論になるかを想像していく。
  3. 現場の瞬発力
    「広げて深めて締める」で大事なのは広げるところでは、たくさん話してもらうこと。だがら仏の顔が必要。深めて絞って締めていくところでは、鬼になる必要がある。最後にこれが結論でいいですねって振っていく。丸投げで決めていく。だから「仏、鬼、丸投げ」みたいな感じでさばいていく必要がある。
  4. 結論をちゃんと出す
    結論はみんなに出してもらうのが鉄則である。そのために何かモヤモヤしていることは全部出してもらう。「ご意見ありますか、これでいいですか」と聞いてOKを言わせることが大事である。

 

プレゼンを成功に導く3つのテクニック

プレゼンにおいては、3つのテクニックがある。

  1. 相手に伝わるピラミッドを作る
    「結論と根拠のピラミッド」を考える。話の結論と、その結論を導く3つの根拠はどうなのかをパターンとして考える。そして、結論を相手に伝わるように置き換える。相手に伝わるピラミッドを考える時は、相手のことを研究することが大事である。
  2. 声を「相手に届ける」ことをイメージする
    例えば左側を向いて話す時は「ですよね、お客さん、どう思いますか?」みたいな感じで、左の一番前の列の人に言う。右の一番後ろの列のお客さんに声を出す時には「ですよねー」って、右の後ろの方に声をプワーって投げる。
  3. キャッチフレーズを持っておく
    プレゼンで一番言いたいことを、例えば「簡単、便利で使いやすい」みたいなキャッチフレーズにして、それを必ず最後、あるいは最初と最後に準備しておくと安心できる。

 

プレゼンの極意

プレゼンはマーケティングと同じで相手を動かすこと。だから「AIDMA」の5つを目指すといい。

  • A(注意):聞き手を迷子にさせないように「スッキリ簡単にする」
  • I(関心):結論と根拠があって意味がつながっている話をする
  • D(欲求):結論と根拠の下に「例えばこうなんです」と考えて、絵や動画でイメージを想像させる
  • M(記憶):キーワードだけ相手に覚えてもらう
  • A(行動):人を動かすために必要なのは情熱と自信。そのコンテンツを世界一だと思う

 

プレゼンで1番大切なことは「生きざまを乗せる」こと。伝える一瞬のために人生があったと思うと声にエネルギーがこもる。

 

考えるということ

考えるとは、自分が知っている知識、そこら辺に出回っている情報を加工して結論を自分なりに出すこと。実際には次の順番で頭を働かせる。

  1. 結論を仮置きする
    正解や不正解はないので、まずは自分で思う結論を仮置きするのが大事である
  2. 根拠を考える
    他人にとって説得力がある根拠を、仮置きした結論に対して3つぐらい考える
  3. 具体例や事実を加える
    3つの根拠の下に、具体例や事実を加えて、説得力を高める

 

1段目が結論、2段目が根拠3つ、3段目が具体例や事実というピラミッドを1つのパッケージとして作る。そうすると、正しいかわからないが、自分の本能に従った結論へのロジックができあがる。他の人に話すためにまず自分なりにピラミッドを作ることがファーストステップである。

次に、このピラミッドを検証していく。結論、根拠、それを説明する事例を、上から下に検証していくし、逆に下から上に検証していくこともやる。そして、人に話して、違うんじゃないかとか言われたり、データが違っていたら修正する。

自分の判断軸が、本質を見極めていく上では大事である。自分はそもそもどういうことを大事にしているのかという軸を持っていないと、ロジカルに考えられる頭を持っていても結論を出せない。なぜなら、自分なりの結論を出すというのは「覚悟を決めること」だからである。

 

クリティカルシンキングに使える3つの問い

クリティカルシンキングは「そもそもこれ正しいのか」みたいな問いを立てて、そこでロジカルシンキングの手法で結論を考えていく。企画や自分の意向というものは。全部、結論と根拠のピラミッドを作ることである。「結論はこうです。根拠としてはこうでこうでこうです」と、結論に根拠を3つぐらい入れて出す。

 

そう考えると、日常でやる問いは3つ。

  1. まず「そもそも◯◯とは何か」を考える
  2. 結論に対して「Why?」と問うて根拠を考える
  3. 根拠は出ているのに結論が見えない時は「So What?」と問う

「そもそも」「なぜ」「それで」という3つの問いができれば、クリティカルシンキングはできる。