10年後に食える仕事、食えない仕事

発刊
2012年2月3日
ページ数
221ページ
読了目安
241分
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10年後に残る仕事を考えて、くいっぱぐれるな!
グローバル化やIT化の進展によって、日本人の職の72%が急速に価値を失いつつある。日本人の1/20の賃金の中国人、インド人に代替される仕事では、10年後には食べていけない。

今の内から、10年後を考えて、食える仕事を目指そうと提言する。

日本人のメリットが活かせる職業で食える

グローバル化によって、人口70億人を要する世界経済のフラット化が進み、今後働く人々に大きな影響を与える。特に海外の安い人件費の人々に代替される職業に就いている人は、一刻も早く抜け出すべきである。

グローバル化によって影響を受ける者もいれば、無縁の者もいる。日本は国内市場が巨大で、今後30年以上は人口1億人を維持する。日本市場で日本人を相手にするビジネスニーズは、我々が生きている間は十分に高水準のまま推移する。

 

つまり、日本語圏での日本市場向けの仕事に就けて、かつ外国人よりも優位に立つことができれば、十分に食べていける。ある特定の職業においては、生え抜きの日本人というだけで、仕事上の絶対的な優位に立てるメリットが生じる。
一方で、日本人メリットを活かせない職業では、新興国の人たちとの不毛な消耗戦を強いられる。

 

日本人メリットの条件は次の通りである。

①独自カルチャー依存:お笑い芸人、漫画家、日本料理人
②チームワーク&サービス:旅館、ホテルなどのサービスマン、生産管理職
③信用&コミュニケーション:高額商品の営業マン、地域密着営業マン
④ハイレベルな日本語:弁護士、医者、記者、編集者
⑤国による参入規制:公務員

 

職業マップ

グローバル時代には、外国人との競争倍率が低い競争環境で働くことが重要である。職業は日本人メリットとスキルタイプに応じて4つに分類される。

 

①重力の世界(日本人メリットなし、ブルーカラー)
・グローバルの最低給与水準に収斂される
・平均賃金が日本の1/20のインド人、中国人との勝負
・無限大の人材供給

ex.プログラマー、メーカー開発者(汎用品)、コールセンタースタッフ、タクシードライバー、店舗店員、警備員

 

②無国籍ジャングル(日本人メリットなし、ホワイトカラー)
・世界70億人と仁義なき戦い
・超成果主義の世界
・勝ち残れれば青天井
・才能も運も必要

ex.CEO、メーカー基礎研究者、トレーダー、デザイナー、パイロット、会計士

 

③ジャパンプレミアム(日本人メリットあり、ブルーカラー)
・日本人ならではのサービスマインド、職人気質、チームワーク
・「同じ日本人」という信頼感を活用した対面サービス

ex.住宅営業、海外の対邦人営業、公務員、ホテルマン、日本料理人、美容師

 

④グローカル(日本人メリットあり、ホワイトカラー)
・日本人の強みを活かしつつ、高付加価値スキルで勝負
・日本市場向けの高度専門職
・高度な日本語、日本の人的ネットワーク

ex.医師、弁護士、グローバル営業、コンサルタント、システムエンジニア、税理士、記者

 

基本的にはグローカルへの進出がオススメである。

参考文献・紹介書籍