フューチャーマッピングとは
「フューチャーマッピング」と呼ばれる課題達成法は、仕事上の現実的な結果をだすものだ。結果をだすためには、努力だけではどうにもならない事が多い。スキル、お金など自分に足りない何かを補わなければ、現実は変えられないと思いがちだ。しかし、フューチャーマッピングは、課題を達成する才能や、お金・人脈などのリソースを既に自分が持っている事に気付く事で、無理なく結果をだしていく。
フューチャーマッピングでは、未来から現在へと流れる波を描き、理想の未来と現状のギャップを埋めるように発想を広げていく。物語を通じて、自分の内面に深く入っていく事で、今まで気付く事のなかった個人の才能や組織のリソースを発見。その才能・リソースが、課題達成に向けた行動により、表面に浮き上がってくる時に、偶然の出来事が起こる。その驚きをきっかけにフロー状態がはじまり、夢中になって目の前の課題に取り組んでいる内に、必然の未来を実現する。
ストーリー思考がもたらす5つの仕事力
フューチャーマッピングが、想像以上の現実を生み出す最大の理由は、その底流に「物語(ストーリー)」をおいているからだ。ストーリーは「はじめ」「なか」「おわり」の3つがハッキリした構成になっていれば良い。この3つが構成されたストーリーには、5つのメリットがある。
①頭にこびりつく
②危機をチャンスに変える
山あり谷ありが葛藤を生み、創造性を生み出す。
③真の問題をあぶりだす
視界が狭くなった自分自身を目の前の問題から切り離し、一段上から客観的に自分を見られるようになる。
④売れるネーミングを生み出す
ストーリーが満ちた時に、ネーミングは降ってくる。映画のストーリーがないところに映画のタイトルが生まれないように、商品のストーリーがないところに、売れるネーミングは降ってこない。
⑤異なる才能を統合する
チームワークで相乗効果を出していく上で強力な効果を発揮するのがストーリーである。ストーリーとは、そもそも異なる登場人物が、多様な視点を提供する事で最終的に共通の敵を打ち倒し、全員めでたしという新しい現実を創るプロセスである。
フューチャーマッピングの流れ
フューチャーマッピングは3つのステージを経て、創造的な問題解決を可能にする。
①物語の創作により、アイデアを拡散
日常から離れる事で、発想を広げる。現実的な枠を超えたアイデアが生まれてくる。
②できないという自己認識の変化
映画館から出た後の行動が変わるように、物語を書いているうちに、できるかもしれないという認識の変化が起こる。
③アイデアを収束して、行動シナリオ
「できるかもしれない」という認識に変わった事で「じゃあ、やってみよう」という行動へのモチベーションが高まる。想像上の物語を現実的な課題と結び付けて、行動シナリオを描いていく。
7つの実験
フューチャーマッピングの手順は以下の通り。
http://future-mapping.com/movie/
まず、3日間で実現したい課題を考えた上で、以下を順番通りに取り組む。
①利他の法則
他人の幸せを3分間、真剣に考える。まず、120%ハッピーになってもらいたい相手を選択。次に、自分が感謝されている未来の光景を創造する。最後に、120%ハッピーの喜びを、セリフで表現する。他人をハッピーにしようとする物語は、自分自身の変容を最も強く促す。
②びっくりイメージの法則
課題とは無関係なイメージを使った発想法により、今まで日常の中で築かれた「狭い世界の認識」の壁を超えていく。3日後、120%ハッピーになった相手が、プレゼントを用意していると考える。中身が見えない箱を描写した後に、突然箱を開け、想定外のイメージを思い浮かべる。
③偶有性の法則
120%ハッピーな未来と現在をつなぐ「曲線」を引いてみる。その曲線と現実がどのように関わっていくかを試してみる。
④変容の法則1
今までの概念と全く異なる、非連続な解決策を得るためには、今までとは全く異なる非連続な思考を活用した方が早い。無関係な既存の物語を使って、自分の課題達成に向けた現実的なヒントが得られるかを試す。
⑤変容の法則2
課題を達成するためのオリジナルストーリーを描く。
⑥モチベーションの法則
課題達成への具体的プランを得るために、今まで創り上げた物語を現実の行動シナリオへと翻訳する。まず、物語のキーワードを◯で囲む。そして、最も気になるキーワードから順番に、現実的な行動を連想する。
⑦「空白」の法則
利他を目的としたストーリーを描く事で「元々持っていたのに、今まで忘れてしまっていた才能」を思い出す。その結果、課題を達成していく自信を高め、本来あるべき自分の姿になっていくための、強烈なモチベーションが内面から得られる。