サイボーグ時代 ~リアルとネットが融合する世界でやりたいことを実現する人生の戦略~

発刊
2019年1月22日
ページ数
200ページ
読了目安
182分
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テクノロジーが発展していく未来ではいかに生きるべきか
分身ロボット『OriHime』などのロボット開発者として注目される著者が、テクノロジーの発展によって、人間の身体的能力差がなくなっていく時代に、どのように生きるべきかを論じている一冊。

人とテクノロジーが融合する時代

人は高齢化や病気、ケガなどで、今まで「できた」ことができなくなっていく時、絶望にも近い悲しみや将来への不安を覚える。しかし「できない」と思っていたことが「できる」に変わった瞬間、未来に対して希望を持つことができる。

サイボーグ時代。テクノロジーを日常生活にうまく取り入れることで、今までできなかったこと、これまでの「当たり前」を更新し続ける時代。今年できなかったことが、来年できるようになる時代を我々は歩いている。

大切なことは、「自分がやりたいことは何か?」を考え、それに役立つ適切なツールを見つけて生活の一部に取り入れ、場合によっては自分で工夫して生み出し、自分にとって「当たり前」とすることだ。サイボーグ化とは、「これがやりたい」という人の意思に基づき、テクノロジーがその人の能力となり、生活、人生となめらかに融合することである。

サイボーグ時代の6つの戦略

スマホを使い、コンタクトレンズをし、季節に合わせて部屋の温度を調整する。これらは便利な生活への進化であり、あえてテクノロジーを回避した生活を選択しない限り、人間のサイボーグ化は加速する。

これから先その度合いは増し、もっと人間とマシンが融合するのがスタンダードになるサイボーグ時代が到来するだろう。そしてそのサイクルは加速し、使い慣れた道具を一生使って生きられる時代ではなくなる。そしてあらゆるものがインターネットに接続され、リアルとネットは融合していく。これからの時代を生き抜くには、6つのストラテジーがある。

①選択する習慣を持つ
先が読めない未来に対応する上で大切なのは「自分で選ぶ力」だ。現在の日本社会では以前よりはるかに多様性が認められるようになり、様々な生き方・働き方ができるようになった。これはつまり、どんな生き方をするか、何が自分にとって幸福なのか、個々人が決める必要ができたということである。選択する力を身につけるには、場数を踏む、経験しかない。自分の責任において自分で決めて実行することは、経験を重ねないと難しい。

②お金を払ってでもしたいことを仕事にする
「働く」とは社会に参加し、他者との関係性を持ち、誰かの役に立つことを毎日しているということだ。その意味で、働くということはお金を稼ぐ以上の価値を持っている。

③アウトプットしながらインプットする
まずアウトプットをして、そのアウトプットの質を高めたり、疑問を解決したりしようとインプットを行う。そうすれば、今の自分にどういうインプットが必要なのかがわかってくる。重要なことは、インプットのモチベーション、興味を持ち続けることだ。

④他人にバカにされることを歓迎する
文句や苦情が出るということは、そのアイデアや行動が、人々のこれまでの常識の範囲外であるということの証明になる。何か本当に新しいことをやりたいなら、一部の人が理解できず、バカにされているかどうかは判断基準の1つになる。

⑤自分の制御方法を知る
今後、テクノロジーによって肉体的な差がなくなり、「〜しなければならない」という義務がさらに減っていくと、人々は自分で何をするべきかという目的を見つけ、そのためのモチベーションを自分で作らざるを得ない状況が増える。自分の人生の目的、自分がやることを自分で探さなければならなくなる。

⑥若者に弟子入りする
現代のような変化の激しい時代においては、むしろ年長者が若者に教えを請うことで得られるメリットはかなり多い。これからの時代、若者はあらゆる分野で必要な存在となる。スポンサーがついてチャレンジしたり、組織を牽引する経験をしたりする人もどんどん現れるだろう。