信頼関係を壊さずに最大の成果を得る6つの原則
①交渉の土俵に相手を導く②付加価値を創造する
③予想外の結果を期待する
④交渉相手の勝利宣言を書く
⑤自分の立場を守る
⑥リーダーシップを発揮する
これらの原則に沿って交渉するための手段として次の戦略がある。
相手にとって悪くなく、自分にとって願ってもないほどの交渉結果を引き出す6つの戦略
①交渉相手の要求内容や優先順位を変えさせる
②相手にとって悪くなく、自分にとって願ってもないほどの提案をする
③相手よりも多くを手に入れるために、条件付きの提案をする
④交渉相手に手を貸して、こちらにとって最も望ましい条件を身内に対して説得してもらう
⑤予測できた危機への備えをする
⑥ウィン・ウィンを目指した交渉を簡単に制する事ができるよう、組織の交渉力を高める
交渉を制する3つのツボ
取引の余地は、合意成立の可能性がゼロでない限り、ほぼ確実に見つけ出す事ができる。そのためには、身内に説明できるように交渉条件を決めて、「相手がどれだけ手強くても自分の側に有利にことを進めよう」と意思を固める必要がある。会心の成果を勝ち取るには、気持ちを整え、交渉の余地を探り、創造した価値のかなりの部分を自分の取り分として要求する心構えをしておかなくてはならない。
交渉を制するには、3つのツボを確実に押さえなくてはならない。
①身内を満足させる
②「公正な扱いを受けた」と、自他ともに納得できる結果を導く
③可能な限り大きな付加価値を生み出して、相手にとって悪くなく、自分にとって「大成功」といえる条件で交渉を成立させる
交渉相手の要求内容や優先順位を変えさせる
最も重要な交渉ルールの1つは、「相手は合理的だ」という前提に立つ事である。交渉には常に偏見を持たずに臨む。頑な相手に遭遇したら、相手の頭の中を想像してみる。厄介な相手に合理的な行動を取らせる事ができなかった場合には、以下の戦術がある。
・互いの同僚を同席させ、話し合いの内容を書き留め、毎回関係者に配布。交渉相手に周囲の目を意識させる。
・自分の利害にぴったりで相手の利害にもかなりの程度まで一致するような提案をいくつも出す。なお、相手をなだめるためだけに一方的な譲歩する事は絶対にしてはならない。相手の要求内容や優先順位を変えさせるには、相手が身内を説得しやすい状況を作るのが唯一の方法かもしれない。
相手にとって悪くなく、自分にとって願ってもないほどの提案をする
ほとんどの場合、交渉の争点は増やせるし、いくつもの条件を組み合わせる事もできる。例えば、価格だけが問題になっている例でも、支払い期限、資金の調達方法、将来の取引条件などを交渉条件に加える事ができる。鍵を握るのは、全体として双方の期待を上回る条件を生み出せるかどうかだ。
相手よりも多くを手に入れるために、条件付きの提案をする
価値を生み出すために、交渉相手の雰囲気、態度、身振り手振りや表情に常に気を配る。自分と相手のために最大限の価値やチャンスを引き出すために、その場で質問を考えて、相手の反応に注意深く耳を傾ける。全く新しい機会を見つけ出したら成功と言える。成功の秘訣は、入念に練られた提案を捨てて「もし〜なら」という条件付き提案を示し、勝負に出る事である。
交渉相手に手を貸して、こちらにとって最も望ましい条件を身内に対して説得してもらう
交渉では何とか方法を見つけて相手の身内にアピールし、成功に向けた協力関係を築く必要がある。取引条件が最終的に受け入れられるかどうかは、交渉相手以上に、その身内にかかっている。重要なのは、実際の交渉相手とその身内、両者の利害の不一致を見過ごさない事である。
予測できた危機への備えをする
交渉には思わぬ紆余曲折が付き物である。ウィンウィン型の交渉を制するには、外部の仲裁者またはファシリテーターを活用するとよい。彼らは交渉を通してできるだけ多くの価値を生み出し、良好な関係を保ち、予期せぬ出来事に対処できるよう、双方の手助けをしてくれる。