シンプル・ライフ 世界のエグゼクティブに学ぶストレスフリーな働き方

発刊
2014年12月5日
ページ数
216ページ
読了目安
233分
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推薦者

創造性を発揮するための習慣
大量の情報に惑わされず、今ここに意識を集中すれば創造性を発揮できる。テクノロジーやスピリチュアル、ビジネスなど様々な分野のリーダーを集めて、知恵にもとづいた文化の創造をめざすイベント「ウィズダム2.0会議」の創設者が、心の平静の保ち方を紹介しています。

創造性を発揮するには心の内なる領域が大切

解決の手順が決まっているような問題の場合には、情報は多いほど役に立つだろう。しかし革新的な事に挑む時には、情報は大抵助けにならない。どれだけたくさんの情報を手に入れても、自分の存在感が強まる事はないし、気持ちが安らぐ事もない。

企業なり個人なりが創造性を発揮しようとする時、最も肝心なのは、心の内なる領域だ。もはや情報を手に入られるかで差はつかない。差がつくのは、情報を消化できるか、応用できるか、創造的に活用できるかどうかの部分だ。そのためには、情報の上手な受信の仕方を身につける必要がある。

優れたイノベーター達は既にこの事に気付いて、行動を起こしている。ツイッター社の共同創業者エヴァン・ウィリアムズは「どんな事でも、いい仕事をするためには、自分のしている事に集中する事が欠かせません」と答えている。集中していなければ、創造も反復もできないからだ。

 

今の時代に最も大きな影響を与えている企業の創業者達は、仕事を進める上で、内面の力を取り入れている。また、人生や企業を意味のあるものにするためには、目の前の事に意識を向ける習慣を身につける事が欠かせない。それができなければ、今の世の中ではたちまち情報の海の中で溺れてしまう。

 

新しい情報が途切れなく入ってくる現代。十分おきにチェックしても、新しいメール20件、新しいツイート20件、フェイスブックの更新50件を目にする事になる。このような環境に置かれていたら、1つの事に集中するとか、今この時を生きるという事がどういう事なのか、わからなくなっても不思議ではない。

そうなると、大切な人との関係が損なわれるだけでなく、仕事においても、物事を処理する能力が大きく低下する。素晴らしいひらめきの源泉である内面の声を聞く事などできない。

 

大多数の人にとって、テクノロジーとの付き合いは避けられず、むしろ深まる一方だろう。今後、ますますテクノロジーを通じた人とのつながりは増す。従って考えなくてはならないのは、どのようにテクノロジーを生かせばいいのか、テクノロジーをイライラやストレスの原因にせず、創造性や豊かな生活に役立てるにはどうしたらいいかだ。

 

今ここに意識を向ける

私達の意識は、たいがい過去や未来に向いていて、めったに今この瞬間に向いていない。心を落ち着かせる能力、今ここに心を置く能力は、私達一人ひとりの生活の質を高めるだけではない。企業が事業をよりよくし、より大きく発展させていく上で、欠かせないものになりつつある。

今ここに意識を向けなければ、集中はできない。ひっきりなしにメールやツイートが舞い込んでくる現代の生活で、なかなか完全に心を今ここに置けない。集中できるようになるためには、心を満たすだけではなく、心を空っぽにする術も身につける必要がある。大抵の場合、私達に足りないのはさらなる情報ではない。スティーブ・ジョブズの言葉からも伺えるように、必要なのは心を落ち着かせる方法だ。心が落ち着いてはじめて、本当に独創的な考えは浮かぶ。

 

スペースを広げる

アメリカ人は毎日およそ12時間、情報を消費しているという。そんな世界では、心のスペースは狭まる一方だ。しかし仕事に没頭するのにも、何かを創造するのにも、心のスペースは欠かせない。心に広々としたスペースがなければ、明晰に考える事も、創造的に考える事も難しい。

スペースが広いか狭いかで、感情の受け止め方は異なってくる。感情をコントロールできる内面の力を養えば、おのずと創造的な能力も大きく高まる。ストレスが生まれるかどうかは、感情とどう向き合うか、どれほど広い心のスペースを持ち合わせているかで決まる。ストレスを除去するには、どんな事実であっても、正面から向き合って、受け止めればいい。直視し、受け止める事で、ストレスは和らぐ。

 

静寂と仲良くなる

心につまらない考えが浮かんできた時、私達は静寂を追い払おうとしやすい。すぐに誰かに電話をかけたり、あてもなくネットを見たり、テレビをつけたり、特に聴きたいわけでもないのに、iPodで音楽をかけたりする。すべては静寂の中にいると落ち着かないせい、喧噪の力で恐れや不安を忘れようとするせいだ。そういう事を繰り返していては、雑念の奥に隠された知恵や直感、静寂の中ではじめてアクセスできる深い洞察に達する事はできない。

大事なのは、心を落ち着かせて、感覚を研ぎ済ませられるかどうか、はっきりと自分の考えが見えるようになるかどうかだ。そのためには考える事の内容ではなく、考える事のスピードを変える必要がある。スピードを落としさえすれば、既にそこにあるものはたやすく見つかる。そのための一番確実な方法は、静寂と仲良くなる事だ。

参考文献・紹介書籍