才能が見つからない人の5つの間違い
才能は誰もが持っている。しかし、多くの人は「才能」について漠然と「選ばれた人だけが持っているもの」と考えている。そして、ほとんどの人が、才能を見つける方法があることを知らず、そもそも自分に才能があるなんて思っていない。
「才能」が見つからない人が陥っている間違いには次の5つがある。
①「人よりうまくできること」が才能だ
才能とは「つい、やってしまうこと」である。才能を見つける時には、他人と比べる必要はない。才能は、普段からずっとやっているのに、あえて意識してみるまで気づけない。時間をとって行動を振り返ることで、自分が無意識に使っている才能を見つける必要がある。
②「資格」や「スキル」が大事
「才能」とよく間違われるのが「スキルや知識」である。才能は特別な努力をせずに身につけたもので、学ぶことで後天的に身につけた「スキルや知識」とは異なる。才能は一度知って使えるようになれば、どんな仕事でも使える。
③「なりたい自分」になろうとする
「なりたい自分」という対象は「自分の外側」にある。これは憧れ(=自己否定)である。多くの場合、憧れる相手は自分にないものを持っている。憧れを諦め、本当の自分に目を向けることが才能を活かすことになる。
④努力は必ず報われる
「努力は必ず報われる」と思っている人は、自分の才能に気づきにくい。世の中には報われる努力と報われない努力がある。才能がないものに対して努力し、しんどい思いをしても成果は出ない。才能があるものに対して努力すると、楽しみながら成功する。
⑤成功者から学べば、成功できる
成功者の口から発せられる内容は「その人にとっての成功パターン」でしかない。その正解が自分に当てはまるかわからない。大切なのは「自分の才能」を活かす方法を見つけること。そのために目を向けるべきは「他人の成功話」ではなく、「自分の過去の実体験」である。
自分の内面に才能を見つける
「才能」の特徴は「動詞」であること。「つい、やってしまっている行動」こそが才能である。自分が「これはみんなできるし、大したことない」と思っていることの中に、自分の本当の才能があるかもしれない。才能を外に探しに行ってはならない。既にやっていることが才能である。
研究によれば「才能の50%が遺伝で決まる」とされている。才能はある程度決まっていて、今から変えることはできない。しかし、「才能の捉え方」は変えられる。自分の持っている才能のポジティブな点に目を向けて、とことん使い倒してやろうと覚悟を決めた時に、人生を丸ごと受け入れて、本当の自分で生き始めることができる。
才能を強みに変える「才能の公式」
才能は「役立つ強み」に変えるために、次の2つの公式で調理する必要がある。
①「短所←才能→長所」
才能は「包丁」のようなもの。すべては使い方次第で、才能は短所にも長所にもなる。多くの人は、自分の才能の短所しか見ておらず、他人の才能の長所しか見ていない。
才能が長所になるか短所になるかを分ける、最も大きなポイントは「環境」である。例えば「つい抜け漏れがないかを確認してしまう」という才能は、スピードを求められる環境では「仕事が遅い」という短所として発揮されてしまう。
才能を活かすために必要なのは、必死に努力することではなく、自分の才能を深く理解し、才能が長所として活きる環境に身を置くことである。
②「才能×スキル・知識=強み」
「才能」がないものに「スキル・知識」を掛け算したとしても、小さな成果しか出ない。自分の才能に合うスキルと知識を身につけることが重要である。才能を見つけて、その才能に合ったスキルを学べば、成果につながる可能性が高まる。
才能を見つける技術
才能を見つけるためには、次の3つの技術を活用する。
①5つの質問に答える
- 他人にイラッとすることは?
自分が何が当たり前にできるからイラッとしたのか考える - 親や先生によく注意されたことは?
自分のどんな「つい、やってしまうこと」が短所になったのか考え、長所として捉え直す - やっちゃダメと禁止されると辛いことは?
- あなたの短所を「だからこそ」で言い換えるとどうなりますか?
短所がどんな「才能」から生まれているかを考える - 他の人は嫌がるのに、自分には楽しいと思えることは?
特にどんな行動が楽しいのか考える
②1000リストから選ぶ
「才能の具体例1000リスト」を見ながら、自分に当てはまる才能を選ぶ。
③3つの切り口で他人に聞く
自分にとっての「当たり前」が、他人にとっては「特別」だと気づくために、第三者の力を借りる。
- 人から褒められて意外だったことは?
頑張っていないのに感謝されたことを考える - 私が他の人と違う点は何ですか?
「その違いを生んでいる行動」を考える - 私は何をしている時が楽しそうですか?
- どんな「つい、やってしまうこと」が関係しているか考える