アクション・バイアス 自分を変え、組織を動かすためになすべきこと

発刊
2015年2月27日
ページ数
274ページ
読了目安
434分
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自らの意志の力を引き出すリーダーシップ論
経営者やマネジャーのほとんどは、本来なすべき事を実行していない。自らの意志の力を引き出し、エネルギーを強化し、集中を高めるためにはどうすれば良いのかを解説しているリーダーシップ論。

エネルギーと集中力が大切

ほとんどの経営者やマネジャーは、かなりの程度の知識や能力があり、影響力もあり、自由に使える経営資源が手元にあるにもかかわらず、会社の将来を創り出すような例外的な事にエネルギーを注ぐのではなく、取り立ててこれといった事をしなくとも必ず起きるであろう事に時間を費やしている。日常の決まりきったルーティンワークを超えて、何か本当に有意義な事を成し遂げるチャンスを掴もうとしていない。何をすべきか「知っている」としても、それを「実行しない」のである。

効果的な行動をとるマネジャーは、エネルギーと集中力という管理職の仕事における2つの重要な要素を組み合わせて活用している。エネルギーとは、熱心な個人的な関与から生じる力の発揮であり、集中とは注意を集中する事である。目的意識のある行動ができるかは、エネルギーと集中力にかかっている。

 

目的意識を伴う行動をとれるかどうかは、意志の力を働かせる事ができるか否かにかかっている。意志の力は、精神面と感情面のエネルギーを活性化するばかりでなく、気を散らすものや別の方向に進みたいという誘惑、自信喪失、否定的態度などといった大きな障害をはねのけ、自分の意図を実現する事を可能にする。意志の力は、行動を取り続けるプロセス全般を通じて、エネルギーを強化し、集中を高める原動力となる。

 

しかし、意志の力を持っているマネジャーは稀である。単にやる気を感じている段階から、積極的に意志の力を働かせる段階へと移行するには3つの戦略がある。

①目標を肯定的に捉える感情を活用する
自らの意図に対し湧き上がってくる強い感情に、意識して肯定的に反応する事で、常に目標に向かって前進する。そうするにあたって、彼らはしばしば、何か具体的な直感イメージを頼りにする。

②目標から気をそらさせる感情にうまく対処する
目標追求を妨げるネガティブな感情を制御し、さらにそれをポジティブなものへと変えていく。そのためには、代替の選択肢が主観的に見て魅力がないと感じられるようなイメージを描くのがよい。

③フロー状態に達する
目標についての思考と感情が自然に重なり合うような解決策を探し出し、必要であれば感情との調和を図るべく目標自体を修正する。

 

意志の力を持って行動するためには、自分のフロー領域を、様々な方法で拡大し強化しなければならない。それにはまず、自分の感情に気付き、それらに今までどう反応してきたかを認識しする事が必要である。仕事から少し離れ、考え、自分を振り返り、外部の期待から自分を解放すれば、自分の隠れた感情を突き止め、どんな方向に向かいたいかを正直に答える事ができる。

 

マネジャーの行動の4つのタイプ

経営者やマネジャーは、そのエネルギーと集中の度合いによって4つに分類される。

 

①髪振り乱しタイプ(低い集中力×高いエネルギー)
マネジャーの40%は、毎日こなすおびただしい量の課題に気を奪われている。彼らは非常にエネルギッシュであるが、集中力に欠け、髪を振り乱し、必死で性急に見える。

②先延ばしタイプ(低い集中力×低いエネルギー)
マネジャーの30%は、エネルギーと集中力の双方を欠いており、組織にとって本当に重要な仕事をグズグズと先延ばしにする。多くの場合、彼らは不安定で失敗を恐れる。

③超然タイプ(高い集中力×低いエネルギー)
マネジャーの20%は、仕事から距離を置き、超然としている。彼らは集中して任務にあたっているが気力に乏しく、多くの場合、無関心で、ピリピリし、無感情に見える。

④目的意識タイプ(高い集中力×高いエネルギー)
仕事を成し遂げるマネジャーはたった10%にすぎない。彼らは集中力が高く、エネルギッシュで、混乱状態の中でも考え深く、冷静沈着に振る舞う。

 

エネルギーと集中力を養う方法

マネジャーがエネルギーと集中力を養うには、次の方法が有効である。

・エネルギー
①明確でやりがいのある目標を定義する
②目標を達成する上での自らの能力への自信を取り戻す
③否定的な思考を取り除き、強い感情を逆手に利用する

・集中力
①目標や意図を単純化して、頭の中にイメージを鮮やかに描く
②意図や目標に対して、個人的なコミットメントをする

 

意志の力を追求する

一貫して目的意識のある行動をとり、活路を切り開くマネジャーは「意志の力」に頼っている。エネルギーと集中力の背後にある意志の力がモチベーションよりも決定的に重要である。

意志の力があれば、マネジャーは規律ある行動をとる事ができる。結果を出すという飽くなき必要性は、意志に溢れたマネジャーをその気にさせる。意志の力があれば、諦める事は選択肢とならず、後戻りする道もない。意志を貫くマネジャーは、何が何でも自分の意図を達成しようと心に決めるのである。意志の力を働かせるためにしなければならないことは次の通り。

①意図を形成する
②自分の意図に無条件にコミットする
③自分の意図を守り抜く
④意図から自分を解放する

 

自分の意図に無条件にコミットするためには、確信と決意が必要となる。つまり、感情と理性を合致させる事が大切である。目標と感情が自然に重なり合うような解決策を戦略的に探す。あるいは目標を修正し、感情との調和を図る。