「エンジニア×スタートアップ」こそ、最高のキャリアである

発刊
2022年12月16日
ページ数
224ページ
読了目安
217分
推薦ポイント 4P
Amazonで購入する

Amazonで購入する

スタートアップでエンジニアとして働くことの魅力
フリーターからエンジニアに転職し、これまで様々なWebサービスの開発や技術顧問をしていきた著者が、スタートアップでエンジニアとして働くことの魅力を紹介している一冊。
優秀なエンジニアの条件や、スタートアップでエンジニアとして働くために求められること、未経験からエンジニアになるために必要なことなど、エンジニアのキャリアがよくわかる内容になっています。

スタートアップのエンジニアの仕事の魅力

エンジニアとしてスタートアップで働くようになると自分の意見が通るようになる。しかも、それを自分の手で作れることが面白い。一方、大企業では「この仕事は、自分じゃなくてもいいんじゃないか」という仕事ばかりで、ある種の歯車になったような感覚を覚えることもある。

 

スタートアップのエンジニアであれば、自分でアイデアを出して、それを実現することができるし、周りもそのチャレンジを後押ししてくれる。純粋にサービス開発やプログラミングを楽しめるのが、エンジニアという仕事の魅力である。また、自分の作ったものが、世の中で使われている時の感動は、言葉にできないほどである。

 

エンジニアは高収入

2022年の調査で、ITエンジニアの給料はコンサルタントを抜いて、全職種の中でトップになった。マイナビのレポートによれば、正社員の初年度平均年収は454.7万円、その中でITエンジニアは555.0万円。これほど給料が高い理由は、エンジニアの需要が高い割に供給される人材が少ないからである。

 

一般的にITエンジニアとして未経験から転職すると、初年度はおよそ年収300〜400万円くらいでスタートする。そこから毎年100万円ほど上がる人もいる。その後、基本500〜600万円まで上がっていく。それ以上を求めるのであれば、昇格して役職が必要になるイメージである。

経験者はさらに待遇が良くなる。若手エンジニアの転職では転職エージェントを使われることが多いが、経験5年くらいの中堅エンジニアは、エージェントから引っ張りだこである。さらに経験10年以上、年収800万円を超えるようなベテランエンジニアになると、リファラル採用と呼ばれる人脈による採用が一般的になる。採用される側からすると、やりたい仕事が選びたい放題ということもある。

 

アウトプットで評価されるから自由

エンジニアは、服装も私服だし、出社の時間も自由である。勤務場所も自由で、アウトプットさえ出していれば何も問われない。働くことに対する裁量が大きいのが、エンジニアの仕事である。

このような自由さは、仕事がアウトプットで評価されるから成り立つことである。アウトプットで評価される環境では、責任は重くなるが、自分がしたことが評価に直結する充実感がある。そして、結果で評価されるからこそ、時間や働く場所の自由が得られる。

 

エンジニアとして働くと、残業という概念がなくなっている人がほとんどである。自分の仕事が終わるまで働くスタイルである。これはブラックな方向に行く訳ではなく、効率化すればその分時間を得られる。そうすれば、自分の時間単価がどんどん上がっていく。

 

優秀なエンジニアの条件

以下の3つが、プログラマーの三大美徳と言われている。この性質がエンジニアの仕事の原動力となり、この感覚が必要不可欠である。

 

①怠惰

面倒くさがること。例えば、データの入力やチェックなど、面倒な作業を全て自動化していこうという感覚である。面倒くさいからこそ人間がやってはダメなのである。

 

②短気

待たないこと。例えば、処理が遅くてスマホが固まっているといった場合、その状態を受け入れて待つのではなく、プログラムを効率化、単純化してすぐに処理が終わるようにしようという感覚である。

 

③傲慢

自分の仕事にプライドを持つこと。自分で考えて、自分で作って、お客さまの意見を取り入れて、「この製品は世の中をよくするんだ」と信じる。すると、自分の製品に対して当事者意識が生まれる。だから、自分のできる限り完璧なものを作ろうとする。

 

未経験からエンジニアになるために必要な条件

スタートアップでエンジニアとして働くには、自走していく能力が必要になる。つまり、自分が主体的になって、情報を取りに行ったり、必要な技術を学んだりする能力である。時にはスキル自体よりも、この姿勢の方が求められる。

スタートアップでは常に人が足りない状態で運営している。エンジニアも当然、新人につきっきりで育てることはできない。教育にかける時間もコストもないので、手厚い研修を実施する余裕はない。

 

多くの開発現場では、次の4つの流れが自立的にこなせることが必要となる。

  1. 環境開発の構築
  2. コードを読むこと
  3. 実装
  4. チェックの依頼

このレベルで人の助けが必要だと、すぐに挫折してしまう。知識がなくても、調べて自分で解決できる能力が必要となる。

この技術レベルに到達するには、1000時間の学習が必要である。これら4つの流れも、1000時間学習すれば、現場で仕事ができるレベルまでは到達するだろう。

 

参考文献・紹介書籍