成果の公式
1位になる会社は「成果の公式」で示される、成果を上げるメンバーの集合体だ。メンバーが力を発揮して会社が成長し、会社が成長することで、メンバーも力をつけていく。
成果 = (インプット × 思考回数 × 試行回数 / 時間)×(ミッション × バリュー)
成果を上げるには、よく思考し、数多く行動する。それをスピード感を持って行う。さらにミッションやバリューへの共感も必要で、この共感こそが成果を上げる情熱につながる。
全体最適の習慣
会社の業績は個人の力の集積だ。個人よりもチーム、チームよりも会社全体を考えることが重要である。自分や自分の部署さえ良ければいいという「部分最適」が広がると、組織は弱くなる。全体最適の習慣が身につくと、経営者の視座・視野・視点が手に入り、成長が加速する。全体最適の視点は、問題解決を行う上で欠かせない。これにより、正しい問題設定ができるようになるからだ。
「会社にとってベストな選択は何か」という視点を常に持つこと。ポジティブな事柄とネガティブな事柄を総合的に考え、プラスが大きければやる。マイナスが大きければやらないと判断することが全体最適だ。この時に重要なのが「想像力」。自分の仕事が周囲にどんな影響を与え、どんなサポートが必要なのか、一旦立ち止まって想像する。それによって仕事の進め方が変わる。
バリューを出す習慣
成長は大切だが、そのスピードは個人によって違うのでゆっくりでもいい。大切なのは、成長するために必要なことをやり続けること。毎日、前日より1%ずつ成長し続けたら、1年後には37.8倍に成長する。1%の良い習慣が人を大きく成長させる。
バリューを出す上で大切なのは「お客様の声を聞く」ことだ。お客様の忌憚のない意見が製品開発のヒントにつながる。お客様に求められる製品をつくるには「プロダクトは永遠のβ版」という意識を持つことが重要である。時代や環境の変化に応じて、人も製品も改良し続ける必要がある。
学ぶ習慣
具体的なアウトプットをする際に必要になるのが「学ぶ習慣」だ。アウトプットの質は、インプット×思考回数で決まる。その人がどれだけ思考回数を増やしたかという蓄積が「地頭力」になる。限界まで頭をひねった経験数が重要で、思考すればするほど地頭力は向上する。
自分の知識以上のバリューは出せない。企業の課題とを発見し、解決方法を提案する場面でも、仮説思考を考える際にも、自分の知識以上のものは出てこない。アウトプットの精度を上げたいなら、まず自分の引き出しを増やすことだ。その近道は、様々なことに興味を持ち、幅広くインプットすることである。仕事に関する知識にとどまらず、アンテナを高く広く張り、情報を収集する。
因数分解の習慣
難問は、それを解くのに適切かつ必要なところまで分解せよ。これはビジネスにおいて重要な視点である。「分ける」とは「わかる」ことであり、「わかる」とは「手が打てる」ことだ。なるべく細かく分解できた方が、課題が明確化しやすいだけでなく、より具体的な打ち手をつくりやすい。
因数分解ができたら要素の関係性を考える。要素は、MECE(漏れなく、ダブりなく)を気にして分ける。分解することで、打ち手の仮説が自然と立てやすくなる。
多くの人は「情報は多ければ多いほどいい」「その方が良い判断ができる」と信じている。しかし、論理的思考だけで一手ずつトライ&エラーを繰り返していたら、問題の本質に到達する前に時間切れになってしまう。大半の人は、ビジネスに「持ち時間」があることを強く意識していない。
多くの選択肢から、数秒間で数種類の候補手(=仮説)を出し、それについてどれがベストかを検証する。仮説を出すことで思考時間を圧倒的に短縮できる。仮説思考が身につけば、たとえ「仮の答え」が間違っていても早く間違いに気づけ、新たな「仮の答え」を立てるヒントが得られる。
1%にこだわる習慣
99%と100%の差はものすごく大きい。楽天の三木谷社長の本には「最後の0.5%の努力の差がクオリティを左右する」という考え方が記されている。99.5%まではみんなが努力しているので、残りの0.5%をやり切れるかで成果に大きな差がつく。最後までやり切ることで突き抜けた結果を得る。
ただ100%に近づけば近づくほど、そこから先を積み上げるのは難しくなる。ただ難しいということは、他社も難しいということであり、やり切れた場合はそれは圧倒的な差別化になりうる。
やり切るには、明確な目的意識が必要だ。組織ならミッションやバリューに共感していることが、やり抜く力を後押しする。
サボる習慣
適度にサボることで生産性は上がる。長時間、デスクに向かい続ける人が常に成果を上げられるわけではない。働いた時間の長さには意味がない。インプット×思考回数という「質」と、試行回数という「量」が重要で、そのためにかかる時間はなるべく短い方がいい。