人に選ばれる人になる
お客様、上司や部下、同僚、取引先や顧客など、すべての仕事には「人」が関わっている。どんな業種であっても「人」がビジネスの最大の価値である。「人」を動かすのは「人」である。そう考えると、ビジネスで成功を掴むには「人に選ばれる人」になることが大きな鍵となる。
「選ばれる人」になるためには「8つの法則」がある。この8つの法則を実践することが、毎日の仕事を磨き上げ、生涯を通してプロフェッショナルとしての仕事の質を高める助けとなる。人の信頼を得ることにつながり、評価され、「選ばれる人」となることにつながる。
取り組む上で大切なのは、まず、8つの法則を順番通りに実践することである。1つの法則を達成すると、次にやるべきことが見えてくる。次に8つの法則を繰り返し実践すること。成長に終わりはなく、自問自答を続けることが大切である。目標を達成するたびに新しい目標を掲げることで、さらなる成長へとつながっていく。
8つの法則
①自分のブランドを確立する
成功を掴むためには、まず自分がどんな人間で、何を目指しているのかを明確にしなければならない。自己評価を行い、自分の資質、長所、短所を深く理解し、自分をどんな風に見せたいかもそれに考える。それによって、今の自分を見つめ直すのと同時に、将来の自分の目標となる自己像や、それを目指す道のりのどの位置に自分が立っているかが把握できるようになる。
自分がどんな人間かを考える時は、自分の過去を振り返ることが効果的である。過去のストーリーを掘り起こすことで、自分はどんなことに価値を感じるのか、人生において何を学び大切にしてきたのかが見えてくる。
②「ビジョン」と「ミッション」を明確にする
ビジョンは「自分の目指すこと」、ミッションは「自分のすべきこと」である。プロとしての野心と仕事上の夢、つまり1年後、3年後、5年後、10年後に自分がどうなっていたいかを明確にする。
ビジョンとミッションを考える上で大切なのが、メンターやロールモデルの存在である。優れた先輩からの助言や、模範的な姿に学ぶことは大切である。
③自分に合った会社で働く
大事なのはきちんとした企業文化を持つ会社で働くことである。企業文化は、組織にいるすべての人が体現できるように設計されている。自分の可能性を最大限に発揮するには、そのサポートをしてくれる会社で働くことが重要である。模範的な行動を取る人が周りにいて、その人と一緒に働いているうちに自然と自分の行動のレベルも上がっていく。
④ホスピタリティを極める
世界中でデジタル化が進んでいく中でも、心のこもった人と人の触れ合い、特別な思い出を生み出そうとする意欲と心遣いはなくならない。目の前にいる人に深い思いやりを持って接し、その人をいい心持ちにさせる。ホスピタリティは、そのために備えておかなければならない心構えである。
一流のホテリエが重視しているのは、主に次の4つである。
- 常に一歩先を行く
- お客様になりきって考える
- 品質に妥協を許さない
- 経営者目線を持つ
⑤コア・コンピテンシーを高める
プロフェッショナルとしての目標を達成するには、明確な計画と何につけても能力の向上が不可欠である。今どんなポジションであろうとも、その仕事をきちんとできるようにならなければならない。そこからさらに上のポジションを目指していくプランを練る。
キャリアのステップアップに必要な能力は5つである。
- タイムマネジメント
- 会議を進める力
- プレゼンテーションスキル
- 創造性を発揮する力
- 適切な批判的思考
⑥コミュニケーション技術を磨く
コミュニケーションとは、言語と非言語のメッセージの双方向のやり取りである。発信したメッセージを受信した側も明確に同じ意味で捉えて初めて、コミュニケーションは成り立つ。非言語では、立ち姿、笑顔、仕草が、口から発せられる言葉や声のトーンに同調していなくてはならない。コミュニケーションでは、口で言っていることと態度が一緒でなければならない。
自分のコミュニケーションスキルを向上させる鍵となる、様々なサインを探してみること。非言語的なサインには、ジェスチャー、アイコンタクト、振る舞い、身だしなみなどがある。
⑦リーダーシップを発揮する
真のリーダーは有言実行である。言行一致でないとリーダーとしての信頼は失われる。優れたリーダーは、皆以下のようなことを自分に言い聞かせながら責務を全うしている。
- 高潔であれ
- 謙虚であれ
- カリスマ性を持て
- 社交的であれ
- 好奇心旺盛であれ
- 忍耐強くあれ
- 本物であれ
⑧絶えず知識を吸収する
常に学び続ける環境を作ることは、どんな組織でも個人でも、成功するために不可欠である。自分を見つめ直し、改善しようと努力を重ねることで、どんどん成長していく。