ナヴァル・ラヴィカントとは
ナヴァル・ラヴィカントはシリコンバレーと世界中のスタートアップ文化を象徴する存在である。彼はこれまでいくつもの企業を立ち上げ、成功させてきた。2000年のITバブル直前にエピニオンズ、2010年にエンジェルリストを創業した。エンジェル投資家でもあり、初期段階のウーバーやツイッター、ポストメイツをはじめ数百社に投資している。
ナヴァルは経済的成功だけでなく、人生や幸福に関する独自の哲学を語って、世界中の読者やリスナーを魅了している。彼が幅広く支持されているのは、成功と幸福を両立させている稀有な存在だからだ。哲学、経済学、富の創造を生涯かけて実践し、彼の信条が持つ力を自ら証明してきた。
富を手に入れる方法
努力は富とはほとんど関係ない。週80時間食堂で働こうが、リッチにはなれない。リッチになるということは、「何をするか」「誰とするか」「いつするか」を理解するということだ。努力するより、理解する方がずっと大事だ。努力は大事だが、正しい方向に向けなくてはならない。
- カネではなく、地位でもなく、富を求めよ。富とは寝ている間も稼いでくれる資産だ。
- 時間を切り売りしていてはリッチになれない。経済的自由を得るには、エクイティ（事業の一部）を所有せよ。
- 「社会が求めているが、手に入れる方法がまだ知られていないもの」を提供せよ。
- 長期的な人と長期的なゲームができる業界を選べ。
- 「同じゲーム」を何度も繰り返せ。富であれ人間関係であれ知識であれ、人生の見返りは複利で殖える。
- 売る方法を学べ。つくる方法を学べ。両方できれば無敵だ。
- 「特殊知識」「説明責任」「レバレッジ」を武器にせよ。
- 説明責任を引き受け、自分の名前のもとに事業リスクを取れ。
- レバレッジなくして富はない。事業にレバレッジをもたらすのは、資本、人、限界費用ゼロのプロダクトだ。
- 死ぬ気で働け。但し、どれだけ努力するかより、誰と働くか、何をするのかの方が重要だ。
- やっていることで世界一になれ。
あるがままを受け入れる
幸福とは「素の状態」だと信じている。人生に何かが欠けているという感覚がなくなった時、幸福がやってくる。
人間は生存と自己複製のために生きている。いつも欲望の網の目にとらわれていて「これが必要だ」「あれが必要だ」などと決めつけながらうろついている。でも、幸福は何も欠けていない状態だ。欠けているものがない状態になると、心の中が静寂になり、充足して幸福になる。
幸福とは、苦しまないこと、欲しないこと、未来や過去のことを考えすぎないこと、今この瞬間とありのままの現実、あるがままを受け入れることだ。
自分という存在の完全な無意味さを思い知ることは、幸福に役に立つ。自分のことをバクテリアやアメーバのような存在だと思っていれば、「人生が実際はこうあるべきだ」という期待を持たなくなる。人生はあるがままのものだ。それを受け入れれば、幸福になる理由も不幸になる理由もなくなる。
精神的、感情的な苦しみの瞬間が実際に来てしまうと、やはり現実を受け入れるのに苦労する。本当の幸福は、平安な状態になることからしか得られない。そして幸福のほとんどは、外的環境を変えることではなく、すべてをあるがままに受け入れることによって得られる。
平安を得るのは難しい。さらに平安は一度手に入れたからといってずっと持ち続けられるとは限らない。物事は常に変化している。
平安とは幸福が静止している状態で、幸福とは平安が躍動している状態のことだ。平安な人はいつでも好きな時に幸福を感じられる。最近では、外的な問題をすべて解決すれば平安を得られると考える人が多い。でも外的な問題なんて無限にある。だから心の平安を本当に得るには、何かが問題だという考えそのものを捨て去るしかない。
幸福はスキルだ
心の平安や幸福は「スキル」だ。それは生まれつき備わった資質ではない。幸福は徐々に増やしていける。そう「できる」と信じることが、出発点になる。幸福は学べるスキルだと気づくことから、すべてが始まる。幸福になることに本気で集中して取り組めば、世界は生きやすくなる。
幸福のスキルは試行錯誤で見つける。色々試して、何が効果があるのかを調べる。瞑想、ヨガ、サーフィン、カーレース、料理、何をしたら禅の境地に入れるだろうか。自分に効果のある方法が見つかるまで、こういったことを片っ端から試してみることだ。
幸福のスキルを身につけるには、良い習慣を積み重ねていくこと。もっと幸福な人間になると心に決めて、自分の生活を見直して、軽率な悪い習慣を良い習慣に置き換えていくといい。
