自分の目標へ向けて長期的に物事を考えよ
「長期の思考」は、最も大切な目標に向けて歩む力になる。もちろん状況が変われば柔軟に対応しなければならない。しかし、すべてを根底で支えるのは「長期の思考」であり、それがなければ柔軟に対応することはできない。長期戦略を立て、さらには途中で自分の進む道も変わる可能性もあると認識していれば、成功のチャンスを最大化することができる。
長期で考えるには勇気が必要だ。短期の結果をものともしない、強い意志の力が求められる。だが、その見返りはとてつもなく大きい。自分の時間、自分の人生をどう使うのか。意識的に選択すれば、巨大な力を手に入れることができる。「自分はこれに賭ける」と決め、行動を起こし、そして待たねばならない。
目先の利益の誘惑に負けず、不確実ではあるが、価値のある将来の目標に向かって努力を続ける。これが「ロングゲームをプレイする」ということだ。
本当にやりたいものだけに「イエス」と言う
ロングゲームのプレイヤーになりたい人にとって、「ノー」という言葉は究極の武器だ。その場に限り、「イエス」と答える方がはるかに簡単だ。しかし、これは大きな重荷になりかねない。スケジュールを限界まで埋め、あげく「なぜ自分の人生には余裕がないのだろう」と嘆く。本当に望んでいる人生を手に入れるには、時には心を鬼にして「ノー」と言わなければならない。
何かをするかどうかを決める時、興奮度が10点中9点未満なら「ノー」が答えだ。相手に「ノー」と言うためのコツは、「自分にそれをして欲しい理由について、相手に質問すること」だ。質問をするだけで、引き下がる人が一定数おり、また質問することで相手にも努力が必要になるため、本当にやる気があるかどうか振るいをかけることができる。
本当に興味のあることを長期目標にする
長期的な思考とは、12歳の時点で将来の目標を決め、あとはひたすらその目標に向かって計画を実行していくということではない。現時点で生きがいや得意なことを見つけていなくても、「興味のあること」「面白そうだと思うこと」ならあるはずだ。
ロングゲームで大切なのは、「バカげた目標は、今だからこそバカげて見える」ということだ。永遠にバカげた目標であるとは限らない。「自分にとって究極の成功とは何か」と考え、あえて「極端な目標」を立ててみること。
その過程で、自分が本当に進むべき道が見えてくる。追い求める価値のある目標なら、失望したくないあまり薄めてしまったバージョンではなく、自分が本当に望んでいるバージョンを追い求めるべきだ。
20%ルールを使って新しいことに挑戦する
ある分野に興味を持つことと、その分野を極めるために実際に行動を起こすことの間には巨大な開きがある。そこで使えるのが「20%ルール」だ。この時間のおかげで、興味のある分野を探求する余裕が生まれる。すべての時間を注ぎ込みはしないので、リスクも低く抑えられる。
賭けが失敗に終わったら何も残らない。その原則は個人にも当てはまる。賭けていいのは、失ってもかまわないものだけだ。「20%」という制限も、そのために存在する。とは言え、何かを賭けるなら、普段から賭ける習慣を確立しておかなければならない。チャンスの芽を育てるには時間が必要だ。努力を粘り続けていれば、たとえわずか20%でも、人生を変えるような結果につながるかもしれない。
ここで大切なのは、「スケジュールに余白をつくる」ことだ。目が回るほどの忙しさだけは、どんなことがあっても避けなければならない。私たちには時間が必要だ。ほんの少しでもいいから時間があれば、新しいことに挑戦し、その結果として巨大なリターンが手に入るかもしれない。
物事は常に変化する。成功の秘訣は、「予想もしていない新しいチャンスを掴むこと」だったりもする。20%ルールを「10年単位」で活用できれば、最終的に目標を変えることになっても、それまでの努力が複利効果でかなり大きくなっている。その複利効果で得たものが未来の選択肢をさらに増やしてくれるだろう。
ロングゲームをプレイするための3つの鍵
結局のところ、ロングゲームで一番大切なのは「メンタル」だ。強い心で失敗を受け入れ、不遇の時期が長く続いても耐えなければならない。結果が出るまでには時間がかかるからだ。ロングゲームに必要な資質は大きく3つに分けられる。
①独立心
ロングゲームとは根本的に、自分自身と自分のビジョンに忠実であることだ。強い心でロングゲームをプレイするには、自分の中に自分の評価基準を持つことが大切だ。
②好奇心
自分にとっての正しい道を見つけるのに必要な資質が好奇心だ。
③立ち直る力
何か新しいことがうまくいくかは、やってみなければわからない。ロングゲームをプレイするには、確固としたレジリエンスが必要だ。