失敗のしようがない 華僑の起業ノート

発刊
2015年4月28日
ページ数
189ページ
読了目安
162分
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ビジネスを成功させるための華僑の教え
大物華僑の下で修行後、起業して成功した著者が、ビジネスで成功するための華僑の教えを紹介している一冊。

華僑の起業マインド

・「途中の失敗」は失敗ではない
華僑には失敗という概念はない。最終的には必ず成功するから、途中にどんなにしようもない事をやっても誰も失敗とは思わない。華僑にとって成功は夢ではなく使命である。彼らは成功した証として本国に親のための豪邸を建てる。それが叶うまで本国の土を踏まない。

 

・失敗した人こそ英雄
社長ではない人が、社長の立場で会社の倒産や廃業を経験する事はできない。だからこそ、実際に倒産や廃業を経験した社長は英雄だというのが、中国人の一般的な考え方。めったに得られない情報やノウハウを持っている、素晴らしい師と見られる。

 

・起業の条件は一生揃わない
日本人が90%の完成度や成功率を求めるのに対し、30%の可能性に賭けるのが華僑であり中国人。この違いがチャンスを掴むスピードの差になって現れる。

 

・人間共通の目標は「富」と「貴」
古今東西、人間が目指す共通のところはお金と地位。華僑の成功法は究極的にこれしかない。お金儲けをして社会にお金を回さなければ商人の価値はない。

 

・まずは「やりたいこと」より「お金になること」
他の国へ来た華僑がまずやるのは3Kの仕事。アルバイトで皿洗いや荷物運び、深夜の清掃など、時給の高い仕事をする。それでお金を作って自分のビジネスを始める。それも最初は「儲かる」ビジネスをやるのが基本。やりたいビジネスをやるのは儲けてから。

 

・「知識=お金、利益」そのもの
知識がない=付加価値がない、つまり高く売る事ができない。売上から原価を引いた粗利益は、知識による付加価値である。付加価値をプラスする事ができなければ、原価で売るしかない。知らない事には手を出さない。

 

・成功したい気持ちがハングリー精神
華僑の原動力はハングリー精神。でも貧乏だからハングリーではない。成功したい気持ちがあるからハングリー。今の日本人は貧乏じゃないからハングリー精神がないというのは言い訳にすぎない。

 

・いくら儲けたいか=自分の人生にいくら必要か
どれだけ優秀な人でも目標がなければ成功はありえない。頑張る意味がない。華僑は少なくとも自分だけじゃなく家族も良くする。最低限の目標がはっきりしている。自分が欲しいお金の目標が明らかである。

 

・イメージできない事は永遠に実現しない
現実と理想のギャップを埋めるのが仕事で、イメージできない事は永遠に実現しない。起業してお金を儲けてどうしたいか、どうなりたいか。細部までイメージすればするほど「その気」になる。何事かを成し遂げるには「やる気」よりも「その気」になるのがベターである。

 

華僑の成功法則

・「与えられた条件」を上手く使えば、いくらでも良くできる
自分の今の条件を使わない人は成功しない。いくら良い条件でも使い方を誤れば悪くなる、悪い条件でも上手く使えばいくらでも良くできる。他人のリソースを使わせてもらうのも華僑ビジネスの成功法則の1つだが、自分の持っているリソースを有効に使う事が先決。

 

・貧乏な時こそ人に使ってもらう
貧乏な時こそ、なるべく人のためにする。それもできるだけレベルの高い人に使ってもらう。使われないで自分の価値は人に示せない。

 

・貧乏な時こそ外へ出る
華僑は貧乏な時はなるべく外へ出てチャンスを取る機会を増やす。家にあるのは作業だけで、仕事は外にしかない、お金儲けのチャンスは外にしかない。

 

・ハイペースをマイペースにする
華僑は何をやるのもハイペース。疲れずにハイペースを保つポイントは、やる事とやらない事を決めて、やらないと決めた事はやらない。

 

・人がお金を使っている時にお金を稼ぐ
時間だけはお金を積んでも買えない。そこで差を生むのがスピード。華僑はハイペースで長時間仕事に打ち込むため、成功するのも速い。華僑はやる時は短期集中。勝負は最初の2年間である。

 

・悪くなれば自分のせい。良くなれば、あなたのおかげ
華僑の精神はすべて自分。親孝行も自分のためだからできる。人のためになる事も、奉仕の精神でやっていると本気で思っている人はいない。相手の喜ぶ顔が見たい、自分を認めてもらいたいなど、根本には自分の欲求があると認識している。

 

「華僑流ビジネス」のスタートアップ

華僑流ビジネスはプロジェクト制で、プロジェクトごとに人材を集めてチームを作るところから始まる。そこで欠かせないのは「作業をする人」「アイデアを出す人」「お金を出す人」の3要素。誰かが儲かるビジネスプランを考えると、誰がお金を出すか、誰が実行するかを決めてスタートする。「アイデア」「お金」「作業」の3つの内1つを提供できればOKで、後は他から探してくればいい。

 

①3つの役割で「トライアングル」を作る

②最小限からスタートする

③「初速」をフルに上げて飛び立つ
最初に頑張ると楽なので、最初は24時間ほとんど寝ずに働く。そのためにはビジネス以外の事を考えられない環境に身を置く事、そして効率よりも効果を優先させる事である。

④華僑流アップセル&クロスセルで売上増
アップセルのポイントはお客さんと長く付き合うこと。最初から取引の継続を前提としたシステムで売る。クロスセルのポイントは、お客さんを1人の人間として見ること。

⑤社長による作業のマニュアル化
社長の仕事は「誰でもできるやり方」を考えること。ここまでやってきた事をマニュアル化する。