あえて、レールから外れる。逆転の仕事論

発刊
2015年5月20日
ページ数
268ページ
読了目安
311分
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イノベーター8人のインタビュー集
これからは仕事を創る人が生き残る。8人のイノベーターのインタビューを通じて、これからの時代に必要なスキルと考え方について紹介されている本。

逆転の仕事論

日本は長い間、決まったレールの上を歩き、組織の中で懸命に働く事が、最も安定した人生で、1つの「成功モデル」とされてきた。仕事は基本的に「引き受ける」ものだった。上司、取引先など、会社員は従順に仕事を「引き受け」、ある程度の数をこなし続けていく事が評価に繋がっていた。優秀な勤め人とは、引き受けたものをスムーズに処理できる、つまり「やらなければいけない」事を滞りなくクリアできる人だった。

 

しかし、インターネット革命以降、すべては変わった。旧来の道徳や常識、安定志向は通用しなくなり、グローバルの勢力が押し寄せた結果、仕事は「作るもの」へと、主流が移りつつある。「引き受ける」仕事は、激減している。誰もが「引き受け」てばかりで、自ら「作る」事を軽視したり、疎んじてきたツケが昨今の日本社会の閉塞感の遠因の1つではないか。

 

イノベーターに共通する5つのメソッド

イノベーターは、数字や指標の達成のために仕事をしている訳ではない。仕事は、ただシンプルに、やりたい事をやるためにある。何をやるか、何のためにやるかは全部自分で決める。

 

イノベーターは興味のままに最新の情報に触れ、失敗を恐れず、数々のプロジェクトを仕掛けている。それぞれがシナジーを起こし、思わぬプロダクトを生む。これからは決められたレールの上を歩き、1つの職種にこだわる事で、素晴らしい可能性を見落としてしまうリスクの方が大きいだろう。

イノベーターの働き方には共通のメソッドがある。

 

①目標からの逆算はせず、今だけに集中する
②常識にとらわれず、まっさらな目で見る
③遊びと仕事の境目をなくす
④皮膚感覚で違和感を感じる仕事は捨てる
⑤失敗を恐れず、1つの場所に固執しない

 

昔のように、皆と同じスーツを着て就活し、内定をもらった企業で定年まで勤め上げる、レールに乗った人生は多くの人が歩めない。会社や上司から振られた仕事を片づけていくだけの人は、時代に取り残される。

 

 

その瞬間を生き切る事に集中する(武田 双雲)

世間の一般的な価値観では、何かに向かって山を登り頂上まで行った人が成功者だととらえられている。でも、山を一切登らない。走らないし競争もしない。その瞬間、瞬間を生き切る事に集中している。すると何もかもがうまくいく。

 

毎日、瞬間、瞬間を楽しめば、気持ちの良い事が勝手に湧き上がってくる。そこに従っていると「ゾーン」状態がやってくる。そこに入ると、自然と何もかもがうまくいく。「ゾーン」に入る事は、誰でもできる。但し、ある程度の下地は必要である。人を喜ばせる、力を抜く、他人と競わないなど。

多くの人は「未来」に希望を抱きすぎ。大事なのは「いま」である。働く人達は「未来」の問題にとらわれすぎている。ありもしない問題をわざわざ設定して、余計な不安とかストレスにさらされるパターンが多い。

 

オリジナルな世界を創り上げる(増田 セバスチャン)

自分のオリジナルで勝負していればきっと、共感してくれる人はいる。いつか味方が現れる事を信じて、やり続ける事が大事だというのを、演劇で学んだ。演劇ではいつもギリギリの表現をして、自分が存在していると言いたかった。目的は自己表現。同じ考え方で「6%DOKIDOKI」を始めた。

 

ファッションの世界で生き残れたのは、6%DOKIDOKIを続けた事である。6%DOKIDOKIは、原宿から撤退しなかった。儲からなくても平気だった。外国で原宿ファッションが流行り始めた時、90年代に台頭した若手のショップの多くは閉店し、残っていたのは6%DOKIDOKIぐらいだったからである。発信する「Kawaii」は、海外にじわじわ広がっていった。

参考文献・紹介書籍