仕事の教科書 きびしい世界を生き抜く自分のつくりかた

発刊
2022年3月22日
ページ数
158ページ
読了目安
182分
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仕事で成果を出すための基本的な行動様式
仕事で成果を出す人はどのようにしているのか。仕事のスピードを上げるための方法から、わかりやすく伝えるための文章術、提案を通すための方法まで、若い頃から身につけておくべき仕事の基本的な行動様式が紹介されています。

若い頃はスピードを重視して働け

よく仕事では「量か、質か」と言われるが、若い頃は量でも質でもなく「スピード」を重視すべきである。スピードは量にも質にも転換させられる。
この「スピード」は、ビジネス人生の最初の数年間で決定される部分が大きい。人間は習慣の生き物なので、ゆっくりとしたスピードで働くことに慣れた人が、そのあと速いスピードに変えるのは難しい。

 

「仕事が遅い人」と呼ばれないためには、次の5つの法則と2つの構文を身につければよい。

 

仕事をスピードアップする5つの法則

①タイミングの法則

「仕事が早い=タイミングが早い」ことである。仕事が評価される上で重要なのは、タイム(どれだけ時間がかかるか)より、タイミング(いつやるのか)である。タイミングの問題は他者が関わる問題だからである。

タイミングの法則とは、「3つのすぐ」を意識し、実践することだ。

  • すぐやる:依頼された日の内に0.01%でもその作業に取り掛かること
  • すぐ出す:締め切り期限より早くに提出すること
  • すぐ答える:その場で暫定回答をした上で、1週間以内など期限を区切って正式回答すること

 

②目標の法則

必ず目標をもって仕事に取り掛かる。成果をあげる人は「まず目標を明確にする → 効率的な計画を立てる → 行動に移す」の順番で動く。

重要なのは、自分で自分の目標を立てられるか。目標を立てる技術は自分で身につけていった方がいい。

 

③分解の法則

何事も分けて考えれば早くなる。仕事が遅いと言われる人は、ほぼ100%分解して考えられない。この分解は、細かくすればするほど、次の行動をイメージしやすくなる。そのため、一度分解したら、「もう一度分解できないか?」と考えるクセをつけるべきだ。

 

④計測の法則

分解したことを、要素ごとに、客観的に記録する。数字や変化をメモする。この時大事なのは「記憶」を「記録」に落とし込むことだ。記憶は主観的でぼやけがちだが、記録は客観的であり、ロジカルに判断できるようになる。

 

目標、分解、計測の法則は3つ揃ってはじめて、仕事のスピードが加速する。順番としては、目標を立て、分解し、計測することだ。そして、1つずつ改善する。

 

⑤経営と実行分離の法則

仕事のスピードを爆速にするポイントは「集中力」だ。1つのタスクを完了させる仕事のスピードは、「集中力 × 処理能力」で説明できる。処理能力は経験を積んでいる人の方が有利になりやすいので、重要なのは「いかにして、集中力を高めるか」にある。

この法則の本質は、自分の中に「経営者」と「実行者」を分離させて仕事を進めるようになるべきということだ。経営者がすべきことは「やるべきことを整理すること」で、実行者がすべきことは「整理されたことを実行すること」である。

「整理すること」とは、実行する人がやりやすいように、仕事を分解し、タグ付けしてあげることである。「いつやるのか?」と「どのように取り組まないといけない作業なのか」の目安を事前に示すことで、実行する側のハードルを下げるのだ。

 

チャンスをゲットする2構文

①Yes, but構文

まず「やります!」と言いつつ、その後に条件をつける。不安な点があっても、不明な点があっても、とにかく明確なスタンスだけは先に示すことができる。素早く回答することができる。

 

②Help needed構文

「Yes, but」の後に「Help needed」をつけて、「ここを助けて欲しい!」と宣言する。現時点で自分に足りないことを「正直に」伝えるのだ。この時、重要なのは「その場で」約束を取り付けることだ。

但し、Help needed構文を使いこなすためには、次の3つの事前準備を必ずすべきである。

  1. 相手の都合のいいタイミングを、あらかじめ把握してから話す
  2. 最低限メモにまとめてから話す
  3. 目的を明確にしてから話す