「課題発見」の究極ツール 哲学シンキング 「1つの問い」が「100の成果」に直結する

発刊
2020年2月13日
ページ数
256ページ
読了目安
292分
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推薦者

哲学の手法でビジネスの課題を解決する方法
哲学の手法をビジネスの課題解決に応用するメソッド。解決策を考える前にそもそもの問題の前提を問い、新しい視点や発想を得るための方法が紹介されています。

答えを追求する前に「問い」を変えてみる

哲学シンキングは、ビジネスや日々の現場で現れる様々なモヤモヤの糸を紐解き、思考を前に進めるためのメソッドである。解決すべき問題の真因を突き止め、適切に課題設定することができる。新しい考え方を見つけることによって、それまでの問題を別の視点から見つめることができるようになり、より広い視野のもとで、解決困難に見えた問題が解消されたりする。

哲学の最も重要な技法の1つは、「問い方」を変えてみること。悩みや問題に直面した時、ほとんどの人はそれをどうやったら解決できるだろうか、という「答え」を追求する。しかし、そもそも問いの前提や問いの立て方が間違っていれば、適切な解を得られない。

哲学シンキングでは、「問いの答え」を求める前に、問いの前提や問い方を見直してみることで、思わぬ視点を得られたり、空回りしていた思考を前に進めたりできる。つまり、物事の「そもそも」を問うことで、新しい気づきがあったり、答えが見つかったりする。

問いを深め、本質をとらえる方法

①問いを集める
真の問題解決とは、適切な課題設定を前提とする。課題となっている問いに関する「さらなる問い」を集めることから始める。

もし課題に対する意見や主張が浮かんでも「疑問のカタチ」に変換してみる。問いには、色々な問いが紐づいていて、その背景には多くの前提や、隠れていた疑問があることがわかる。「片っ端から問いを出す」というルールを設定すると、バイアスから解放され、意外な選択肢を引き出す。課題に対する「答え」ではなく、課題に関する「問い」を出していくことで、「常識的にはあり得ない視点」「ぶっ飛んだ発想」が得られる。

②問いを整理する
たくさんの問いをあげると、視野が広がる反面、色々な視点が出すぎて、頭がごちゃごちゃになる。そこで、より考えやすくするために、似ている問いをグループ化して、それぞれが何を言いたかったのか整理する。「定義」「時間」「場所」「条件」「価値」「手段」など、色々な視点で考え、グループ化する。

問いをグループ化したら、優先順位をつける。候補の中から「直接的には解決策にならなそうでも、モヤモヤ違和感がある問い」からスタートする。

③議論を組み立てる
論理的な規則だけからは新しい発想は生まれない。哲学シンキングは「なぜ、そう言えるのか」「そもそも〇〇とは」「もし、〇〇だったら」などと問いを重ね、結論や推論、前提を疑いながら、議論を組み立てていく。

合理的な議論体系を組み立てるだけでなく、その過程で生まれる問いに問いを重ねて「別の可能性=分岐点」を押し広げ、「隠れた前提」を見つける。最初は素朴だった問いが。1つの木のように枝葉を伸ばし「1つの体系」になっていく。A4の紙に、樹形図のような体系を描いていく。

④別の視点から議論を組み立てる
優先順位づけで後回しになった問いについても、議論を組み立てる。

⑤新しい洞察・視点を発見する
出来上がった樹形図を、分析したり比較したりして、新しい視点や洞察を発掘する。哲学シンキンにおいては、適宜、それまでの議論を反復して振り返ることが必要である。分析・比較を通じて、「答え」でなくとも、思考のフレームが拡張され、新しい「問い」が出てくることで、最初には思いつかなかった視点が生まれる。

「起こっている問題の真因はどこにあるか」を見つける問いを立てることこそ、「課題解決」の前に重要である。課題解決の前に必ず「問い」で「問題の中心」を整理することで、新しい視点を発見することができる。