会社を辞めずに起業するためのマインドセット
起業する上で、最初に必ずやるべきことは「自分自身としっかり向き合う」という作業である。具体的には「自分は一体何がしたいのか」「自分には何ができるのか」を考える。この時、3つの円で考える。
- 人生がこの人生で命をかけてやりたいこと
- 自分が一番になれるもの
- 自分にできることで人に喜ばれること
3つの円が重なる領域。自分の人生をかけてやりたくて、1番になれるくらい得意で、誰かが喜んでくれること。この重なる部分を言語化する。この答えは自分の中にしかない。
何かビジネスを始めようと思った時には、「何のために」「誰のために」という観点が重要である。この時に「かけたコスト」よりも「リターン」の方が大きいこと。つまり利益が出るかを真剣に考える必要がある。
起業のタネ「マイビジネスリスト」をつくる
ビジネスの成功確率を高めるためには、次の3つの目が必要である。この3つの目を鍛えるため、日々意識する習慣が大切である。
- 虫の目:目の前のものを見ること
- 鳥の目:空から地上を見下ろすイメージで自分のビジネスを取り巻く環境がどういう状況なのかを確認する
- 魚の目:流れやトレンドに気づく
流れを見ながら(魚の目)、マクロで俯瞰し(鳥の目)、ミクロ(虫の目)でスタートする。有料の情報を取りに行き、常に3つの目で考えていく癖をつけることが重要である。
次に必要なのが「抽象的」視点と「具体的」視点の両方を行ったり来たりすることである。この2つの視点を、意識的に行ったり来たり、意志を持って反復を繰り返すことが大切である。抽象と具体、マクロとミクロ、鳥の目と虫の目を行ったり来たりしながら考える。
サラリーマンをやりながらの初めての起業では、そんなに大きく張ることはできない。そのため、今すぐ儲かるビジネスを探す必要がある。そのために必要なのが「困りごとリスト」と「お役立ちリスト」の作成である。まずは、どうしたら役に立てるかをとことん考え、1つの困りごとに対する解決策を10以上は考える。
「困りごとリスト」「お役立ちリスト」の両方ができたら、「困っている人」の人数を書き込む。起業をして成功しようと思うなら、マーケットサイズは大きいほど勝てる可能性が高くなる。
最後に「誰かの困りごとに対して役に立てること」と「自分のミッション(3つの円の真ん中)」が重なる部分を探す。この2つの重なったところで、最低10くらいのビジネスプランを出したい。
どんなビジネスから始めればいいのか
基本的には、どんな困りごとに対しても、何かしらの解決策が現時点で提供されていることがほとんどである。大事なのは、困りごとを解決しているサービス提供者を特定の業界の枠の中だけで考えてはいけないということである。困りごとに対して「誰が提供しているか」ではなく「どんな解決がなされているか」に注目すること。そして、それでも満たされていないことはないかを考える。
次に行うのは「儲かるビジネス」はどれなのかという考察である。これは「ニーズが多くてユニーク性が高い」ものである。それらを検証するために。マイビジネスリスト10のすべてについて、「ニーズ」と「ユニーク性」2つの軸でマッピングを行う。
ニーズがいくら多くても、自分が提供できるモノやサービスと同じようなものが他にもたくさんあって、ユニーク性が低ければ新規参入して選んでもらえる確率はかなり低くなる。重視すべきは「ユニーク性」の方である。
チャレンジしたいビジネスが決まったら、次にやるべき作業は「お客様を探せ!」である。どこにお客様がいるのか、どうすればたくさん集められるのかを、とにかく頭を絞りに絞って考える。サラリーマンで起業する際の最大の強みは、これまでに培ってきた人間関係である。人生の中で関わってきた人や企業の担当者や経営者の中に、マイビジネスの顧客候補を探す。
顧客候補が見えてきたら、身近なところでテストマーケティングを行う。マイビジネスで取り扱う商品やサービスが、どういう評価を得られそうなのかを判断する。この時に重要なのは、「リポートしたい」と思ってくれる人をしっかり確保できるかどうか。そのためのプライシングを考える。自社の商品やサービスを使い続けてくださるお客様をどうつくっていくかが、小さなビジネスではとても大事になる。
サラリーマンのまま起業する
サラリーマンでいることの何よりの強みは、安定した収入が確実に入って来ること。マイビジネスの収入がサラリーマンの給料を超えるタイミングまで、会社を辞めてはいけない。
仮に副業NGであったとしても、お金をもらわないで始めればいい。大抵のビジネスは儲かるまでには時間がかかる。お金をもらわない無料期間がある事業をスタートしたと考える。そして、ビジネスモデルを検証する。