破綻の公式1 業界構造、市況変化の波を打破できない
業界内での自社ポジションや、市況は日々移り変わる。周囲を取り巻く環境の変化に対して柔軟に対応できなければ、企業は倒産への道を辿ることになる。周りの状況はどうであれ、企業の業績は、顧客ニーズにいかに応えたかによって決まってくる。
・子供服リサイクルショップ運営 AKIRA
全国100店舗に迫る勢いだったが、「メルカリ」など、リユース市場に特化したECサイトの台頭で実店舗での販売実績が落ち込み始め、FC運営に失敗。
・ステーキレストラン経営 ステークス
ステーキハウス「KENNEDY」を展開し、店舗数40店舗にまで拡大するが、安売り戦略によって「半額でないと行かない」と消費者をミスリード。「いきなりステーキ」の登場に対して、トレンドに合致しない戦略が失敗。
破綻の公式2 大ヒット商品が綻びを生む
業績を大きく伸ばすヒット商品の誕生に伴って、経営者は積極的な投資に乗り出す。しかし、ブームは一過性であることも多い。かつての過剰な投資が尾を引き、後々破綻に至る。
・化粧品・ヘアケア製品販売代行 ジャパンゲートウェイ
「ノンシリコンシャンプー」で一大ブームを巻き起こすも、同業他社が類似製品を次々と投入し、差別化が図れずに店舗での売上が落ち込む。在庫と多額の広告宣伝費が重荷となり資金繰りが悪化。
破綻の公式3 旧来型ビジネスモデルにしがみつく老舗は潰れる
長い歳月にわたって、先代社長から引き継いできた「歴史あるビジネスモデル」は、老舗企業にとって大いなる遺産である。しかし、時代の変遷に応じて、経営戦略を変化させていく適応力がなければ、かえってその遺産によって、首を絞められることになりかねない。
・和菓子製造販売 花園万頭
184年の歴史を持つ老舗。コンビニスイーツとの競合や高級路線一辺倒で、新規の若者層を取り込めず、資金繰りが悪化。
破綻の公式4 ベンチャー企業の急成長は急転落の序章である
売上が急増すると、事業継続のために必要な運転資金も共に上がっていく。その両輪への目配せを怠ると、後々悲劇に見舞われる。
・格安スマホ「FREETEL」運営 プラスワン・マーケティング
大手携帯キャリアからの乗り換えで利用回線数は40万回線を超えて急成長も、キャリア系の格安スマホが次々に登場し、新規契約数が低迷。多額の広告宣伝費、販売店へのリベート費用がかさみ、資金繰り悪化。