これからの働き方の変化
これから私たちが会社で求められる働き方を考える上では、2つの流れが重要である。
①ジョブからスーパージョブへ
これまでの標準的な仕事(ジョブ)は、定型業務と標準化された業務プロセスで構成される、特定の限定されたスキルを使う仕事が中心だった。これに対し、スーパージョブは、テクノロジーを利用し、遂行する業務の範囲を拡大し、従来の業務を複数組み合わせつつ、特定分野のスキル、テクニカルスキル、ヒューマン・スキルの複雑な複合を必要とする仕事である。私たちは様々な複雑なスキルを身につけ、コミュニケーションやコラボレーションといった人ならではの能力をうまく組み合わせながら、より複雑・高度で非定型な業務を進めていく必要がある。
②繰り返し型ジョブからプロジェクト型ジョブへ
繰り返し型ジョブとプロジェクト型ジョブの1番の違いは「特定の目的のために」業務を行っているかどうか。明確な目的がない報告書の作成や定例会議の多くは、繰り返すこと自体が目的になっている。これからは、働く人すべてが、単純な定型業務を繰り返し、こなしていく働き方から、特定の目的を達成するために、複雑で非定型なプロジェクトに従事する働き方へと変化する。
未来の働き方5つのトレンド
成果を上げるためには、未来の働き方の5つのトレンドを理解し、働き方に反映させていくことが大切になる。
①表層思考 → 深層思考
複雑で不透明な場面に出くわした際、ただやみくもに「素早く行動する」よりも「素早く行動できる思考を鍛える」ことの方が重要になる。そのためには「深層的」に物事を考える力を身につけることが必要である。
深く考えることの基本は、「フレームワークを活用しながら物事の全体像をつかみ、その全体像を基に考えること」である。全体像を意識した思考と仕事の進め方の訓練を行うことで、複雑な事柄にも自然と考えが及ぶようになり、素早く答えや成果を導くことができる。仕事や業務の全体像を掴むためには、仕事・業務の幹となる重要な前提を以下の3つで可視化してみることである。
- 仕事の中で必ずやること(手順・プロセス)
- どうするとうまくいくか
- どうするとうまくいかないか
②業務効率化 → 業務最適化
「効率的に作業する」ことを意識しすぎると、「業務量(インプット)をいかに減らすか」が考えの中心になる。一方、成果(アウトプット)を増やすためには、業務最適化が重要になる。限られた業務時間から得られる成果を最大化するために、仕事・業務の選択と配分を最適化する。そのためには、自分にとって不要な業務をなくすか他の人に任せて、残った時間を使って短期間に質の高い成果を生み出すことに集中することが必要である。
③他者理解 → 自己理解
できないことにだけフォーカスし、長い時間をかけてできるようになるのではなく、自分の得意なことを活かすことが求められている。そのためには「自己理解」が最も重要である。
④チームワーク → パートナー
状況が複雑で十分理解できておらず、何を指示すれば良いかも定かではない時には、曖昧な指示、ハイコンテクスト型のコミュニケーションになる。そこで必要になるのが「センシティビティ(感受性)」である。これはコツさえ掴めば鍛えることができる。
- 会社から求められる成果を理解する
- 先回りして行動し相手に貢献する
- 信頼関係が構築できる
- 自分のパートナーが自然と増える
- 仕事が進めやすくなり成果も上がる
⑤専門スキル → 汎用スキル
汎用スキルとは、「自らで意識できており、どの会社や職場でも活用できる、再現性のあるスキル」である。まずは汎用スキルを以下のサイトで体系的に理解することから始める。
この機能を使えば、今自分が行っている仕事で、どのような汎用スキルが必要なのかをチェックすることができ、自分の汎用スキルを活かせる職種にはどのようなものがあるかを逆引きで確認することができる。