なぜロジカルな人はメンタルが強いのか?

発刊
2021年10月4日
ページ数
224ページ
読了目安
185分
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メンタルを強くする物事の考え方
「麻雀サイボーグ」と呼ばれ、確率やロジックに基づいた戦法で勝つトップクラスの麻雀プロが、メンタルが強くなるための思考法を紹介している一冊。
不運も一定確率で起こりうることであるとし、常に確率で物事を考え、それに準備して対処することが大切だと説きます。

ロジカルな人はメンタルが強い

麻雀は人生と似ている。それは、どちらも「選択の連続」である。より良い選択を重ねていくには、ブレないメンタルが必要である。「メンタルが強い人」には、2種類いる。

 

①神経が図太い人
細かいことを気にせずにいられる人で、これは生まれつきの資質である。

②物事を論理的(ロジカル)に考えられる人
メンタルの強さは「思考法」次第である。論理的に考える人は動揺しない。

 

成功も失敗も、めったに起きないハプニングさえも、一定の確率で起こりうる。何が起きても、驚くべきことではない。これが「確率思考」である。「成功する確率」「良い偶然が起こる確率」が高い選択を重ねていくことだけである。「すべては一定の確率で起こることだ」と知っていれば、失敗を悔やむことも、不安に思うことも、力むことも、必要ないことがわかる。

 

麻雀は「いい偶然」と「悪い偶然」が起こり続けるゲームである。ゲームの構造をわかっていれば、何が起ころうとも、その後の判断や行動を変える必要はない。

麻雀プロのおそらく9割以上が、運・不運で感情を揺さぶられている。メンタルが揺れてしまう原因としては、偶然起こった悪いことを必要以上に気にしてしまうこと、ミスをしてしまった時に気にすることがある。
感情が揺れていいことは1つもない。次の最適解を導き出せなかったり、選択できなくなってしまう。

 

一定の確率で起きる不運は想定内

「ツイている」「ツイていない」の評価は、過去に起こった偶然を評価しているに過ぎない。この先、何が起こるかには、全く影響しない。ある事象が続いた時、「次も同じ事象が続くのではないか」と錯覚してしまう心理のことを「ギャンブラーの誤謬」という。「ツイていた」からといって、次の結果が良いものになるとは限らない。

未来の結果は、過去の結果とは関係ない。独立した因果関係によって、未来に起こるべきことが一定の確率で起こるだけである。

 

麻雀も人生も、決断と選択の連続である。運の要素もあるが、よりベストな選択をし続けた者が最終的に勝者になる。そのため「リスクとリターンを天秤にかけて、より勝利に近づく確率の高い決断を繰り返していく」というのが、勝負事に対する真摯でロジカルな態度と言える。

低い確率であれ、考えられる悪い結果というものはある。どんなに認めたくない結果でも、それはあくまで想定内である。それが起こった時にどうすべきかを事前に考えておくべきである。

 

ストーリーに逃げずに自分の頭で考えること

オカルトとは「科学的根拠に基づかない事象、推測、思考」のことである。この世では不思議な出来事が数多く起こる。その不思議な出来事1つ1つは、現在の科学では説明がつかないようなこともある。しかし、だからといって、それが「幽霊」だったり、「宇宙人」だったり、「神様」だったり、「運」や「ツキ」の仕業と決めつけてしまうことこそが、オカルト思考である。

オカルト思考に陥ってしまうと、その根拠や理由を自分の頭で考えることがおろそかになってしまうので、次に繋がらない。

 

オカルト理論が好まれ、流行ってしまう背景には、多くの人たちが麻雀のプレイにストーリー性を見出したいと考えるからだろう。自分のやっていることに意味を持たせたいのだろう。
数字に弱い人や論理的な思考に慣れていない人ほど、そういうストーリーに酔ってしまう傾向がある。こうしたストーリー性に引っ張られ、現実を見誤ってしまう。

セオリーを取り入れる時、自分の頭で論理的に考えて疑い、本当にそうなのか検証してみることなく、やみくもに取り入れてしまうのは思考停止である。