フューチャリストの自分の未来を変える授業

発刊
2021年8月24日
ページ数
352ページ
読了目安
452分
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自分の未来を変える方法
インテルやIBMで、フューチャリスト(未来予測家)を務めた著者が、未来を変えるための方法を紹介している一冊。企業が未来へ向けて進んでいく道筋を作るというフューチャリストの仕事と考え方をもとに、個人がどのように未来を描き、歩んでいけば良いのかということが書かれています。

未来はまだ決まっていない

未来の心配は、つまるところ単なる「心配」でしかない。まだ起こっていないこと、もしかしたらこのままずっと起こらないかもしれないことを心配するために、一体どれだけの時間と労力を浪費しているかを考えてみることだ。そのエネルギーを、代わりに理想の未来を実現するために使ってみたらどうか。

 

自分を構成する自分には次の3つがある。

  1. 過去のあなた:自身の経験や記憶
  2. 未来のあなた:これからなる人物
  3. 現在のあなた:ほとんどの人にとって「過去のあなた」

 

私たちはいつも過去を生きている。過去とは単なる記憶ではない。私たちは過去に支配され、誤った決断を後悔し、失われたチャンスを諦めることができない。もちろん過去は悪いことばかりではない。しかし、悲しい過去でも、楽しい過去でも、私たちが過去にとらわれていることに変わりはない。

このような生き方の問題は、過去は結局のところ過去でしかないということだ。ここで世界を反転させ、「現在のあなた」を「未来のあなた」にしたらどうなるだろうか。このシナリオでは、なりたい自分が現在の自分ということになる。変化の可能性は無限大だ。

 

未来はまだ決まっていない。日々の行動の積み重ねで、理想の未来を実現することができる。未来は自分の手でつくることができる。そのためには、未来を創造するプロセスに積極的に参加しなければならない。未来を偶然に任せてはいけない。

 

未来を変える方法

フューチャーキャストで大切なのはとにかく動くことだ。実際に行動し、その勢いを頼りにさらに行動を重ねていくことが、このプロセス全体のカギになる。

 

STEP1:フューチャー・ユー(未来の物語を創造する)

理想の未来を実現する第一歩は、自分の未来について語る言葉を変えることだ。自分がどんな未来を望んでいるか、できる限り具体的に考えることがカギになる。理想の未来に向かうには、具体的な目標を立てなければならない。ここでは書くことが大切だ。書くという行為そのものが、頭を働かせるきっかけになる。

何も書くことが思いつかなかったら、問題を別の角度から考えること。逆に、現実になって欲しくない未来について想像するのだ。避けたい未来を想像することで、逆に望む未来が見えてくる。

 

STEP2:フューチャー・フォース(あなたを未来に押し出す力

未来は自然に発生するわけではない。未来は力によって形作られる。力は「人」「ツール」「専門家」の3つのカテゴリーに分けられる。それぞれのカテゴリーで、自分をポジティブな方向に押し出してくれる存在を見つけるのがカギだ。

  • 人:自分のチームをつくる
    たった1人の力で未来をつくることはできない。まず集めるのは、絶対的な信頼を寄せていて、あなたの未来を親身になって考えてくれる人。最低でも5人は集める。チームのメンバーが決まったら、彼らと個人的に会い、あなたの物語を伝える。大切なのは、常にオープンな心で、人の話をよく聞くことだ。どんなフィードバックでも、未来のビジョンをさらに洗練させる助けになってくれる。
    メンバーを見つけるためには、まず「お互い様」の精神を忘れないこと。いつも助けてくれる人たちには、自分も何らかの形で役に立つ方法を考えておいた方がいい。次に、常にコネクターを目指すこと。いつでもアンテナを張り、知り合うことでお互いの利益になりそうな人を積極的につなげるようにする。
  • ツール:前に進むためのリソースを集める
    ツールは、人ではなく、道具や機材などのリソースだ。目指す未来は人によって違うので、実現のためのツールの形も違ってくる。デジタル製品やサービス、組織、コミュニティなど、思いつくツールを並べてみる。大抵の場合、あるリソースから別のリソースへと切り替えながら進んでいく。第一にタスクに合ったツールを選ぶこと。そして、自分に合うツールを選ぶことが大切だ。
  • 専門家:あなたが目指す未来を既に実現した人を探す
    専門家とは、あなたが必要としているアドバイスや情報を持っている人たちのことだ。専門家を見つけて、学べることはすべて学ぶ。どんな教えも貪欲に吸収すること。専門家があなたの理想の未来を既に実現しているのなら、彼らが辿った道のりのすべてを知らなければならない。

 

STEP3:バックキャスト

目標地点から現在地を振り返り、目標に到達するまでの道のりを小さなステップに区切る。大切なのは具体的に考えることだ。そうすることで、ただの抽象的な概念を、実際の行動プランに変えることができる。まずは自分の行動を次の3つの段階に分ける。

  • 半分
    細かいところまではわからなくて構わない。細部は実際に行動を始めてから埋めていく。

  • 少し先
    半分の地点のさらに半分の地点を想像する。新しい未来に向かって踏み出す、最初の具体的な一歩になる。
  • 月曜日
    今すぐできることを考える。

これらのプロセスは簡単には終わらない。未来とは、そこを目指す努力のことであり、そこに至る旅のことだ。