テレビのなみだ 仕事に悩めるあなたへ

発刊
2012年7月6日
ページ数
328ページ
読了目安
318分
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人気放送作家の仕事術
数多くの人気バラエティ番組を手がける放送作家の鈴木おさむ氏が、テレビ番組制作の舞台裏で、関わってきた多くの人から学んできた現場の仕事テクニックを紹介している。

仕事で大切にしている3つのこと

①頭を検索エンジン化する
最近、食べて一番うまかったものから始まり、奥さんが番組で「タランチュラが意外と美味しかった」と言っていたとか、板前さんに聞いた料理の話など、4〜5分で思い浮かんだ言葉を30個くらい書き出す。キーワードを1個ずつ見直していって、発想を広げられるものがあるか考える。

例えば、「タランチュラがうまい」を脳でいじっていると、昔、世界中を旅行してゲテモノばかり食べる番組があったなどを思い出してくる。そういった番組を今風にやるとどうなるか?などと広げていく。

あまり広がらなかったら、最初の30個のキーワードに戻り、また別のものを選び発想を広げていく。このインプットとアウトプットの繰り返しで企画を考える。

②ガツガツする
ガツガツしていないと運は人の手に渡っていく。やりたいことは、どんどん口にすること。きっと誰かが聞いていてくれる。

③好奇心を持つ
みんながちょっと興味を持っていることを体験している人は、みんなに興味を持ってもらえる。人としての「興味度」が上がる。興味のあることは、どんどん経験し、自身に興味を持ってもらえるようになること。

 

鈴木おさむ式仕事術

・ダメなものを知る
あくまで、ショートコントを選ぶのは「人」。自分が「面白いんだよ」と思っても、採用されなければ意味がない。選んでくれる人が好きそうなものを少しずつ覚えていく。一番肝心なのは、ダメなものも学ぶこと。相手はダメなものは教えてくれないので、採用されないものは諦め、学習することが大事。

・「目線」を下げる
「今から超面白いギャグをやるぞ!」と言うと視聴者の期待度は高くなり、ちょっとした面白いことでは笑ってくれない。この状況を「目線を上げる」という。だから番組を作る上では、いかに視聴者の目線を下げられるかがポイント。目線を下げるには、「自信ないんだけど〜」といった言葉で、自分に対しての目線を下げる。

・外に出る
チャンスは雨みたいなもので、どんな人にもそこそこ降ってきているけど、その時に外に出ていて雨に当たるかどうかの違いがある。つまり、外に出なければ何かにつながらない。

・イタくていい
空気を読みすぎたら損。イタくていい。この世界で頑張っている人は、ある意味みんなイタい。イタい所があるから頑張れてるし、この世界に入ってこられてる。最近の若い人は、よく「やりたいことがない」と言うが、これは空気を読みすぎ症候群ではないか。最初から無理だろうなとか、人に笑われるとか、自分の中で空気を読みすぎている。

 

コミュニケーション術

・叱り方
叱り方がうまい人は「叱る部分」を間違えない。そして嫌われることを恐れない。そして叱った後に一言褒める。

・やる気にさせる
どんなに口で言っても相手にわかってもらえないことが多い。行動で見せる。悔しいと思わせる。これが人をやる気にさせる一番の方法である。

・上手にホメる
気安くホメられて喜ぶ人もいるが、気安くホメられたことで、その人の浅さを見抜いてしまうこともある。美人は「カワイイね」なんて何百人にも言われている。仕事がデキる人は、それなりのホメられ方なんて慣れすぎている。だから、デキる人をホメて本気で喜ばすのは結構難しい。ホメられて本当に嬉しいことは、自分でも気付いていない部分。本当のホメ上手は、自分以上にその人のことをわかっている。

・デキる断り方
好感度を残しつつ断りたい。後輩作家に仕事を断られた時、そいつは断る時に言った。「正直、やりたい気持ちはいっぱいなんですけど、今の状況で無理に引き受けたら、後で逆に迷惑をかけてしまい、ガッカリされるのが怖いんです」。そう言われた時、嫌な気持ちはしなかった。断り方は大事である。

・ホンネを引き出す
「情熱大陸」に出演してわかった「本音」を引き出す秘訣。
①わざと「ウザい友達」になる
②同じ質問を定期的にして、答えから贅肉をそぎ落とす
③わざとカチン!とくるぐらいの温度を上げる質問をする