複数の肩書きを持て
これまではデジタル技術が進んでいなかったため、一度に多くの仕事をしようと思っても、限界があった。しかし、今では同じことを考えている人や賛同してくれる人とすぐつながれる。力を合わせてスケールしやすくなっている。本業で忙しい人でも、専門知識・経験がない人でも、稼ぎやすくなっている。
これまでは、1つの仕事を一生かけて極めるのが美徳とされていた。しかし、日本でも「スラッシャー」という言葉が少しずつ使われるようになっている。スラッシャーとは、肩書きをスラッシュで併記して活躍する人たちのこと。
・エンジニア/コンサルタント/ライター
・貧乏サラリーマン/動画編集者/Excelスペシャリスト
ここで大事なのは「まず名乗ること」。自分はこういう人なんですと名乗れば、世間話で盛り上がったり、何か相談されたりするかもしれない。それが結果として、仕事につながる可能性もある。スラッシュで複数の肩書きを持つことで、収入が増えるだけでなく、自分のやりたいことを実現するためのライフワークも生まれる。
自分の活動時間の10%を新しいチャレンジに使う
何か新しいことを始める時、「できない理由」を並べる人は少なくない。そこで必要なのが、「どうすれば実現できるか」を考えること。複数の選択肢で迷うなら、両方やればいい。新しいことに挑戦することは、言い換えれば「好奇心を持つ」ということ。
そして「新しいもの」を生み出すには、小さな成功をつかみ、それを積み重ねて仕組みをつくるのがおすすめである。Googleが成長する過程で用いたリソースの配分ルール「70:20:10」の法則を使い、資源も時間も配分する。70%は「うまくいっていること」に、20%は今までの「改善」に、10%は全く「新しいこと」に配分するとうまくいく。自分の活動時間の10%を新しいことに配分するといい。
まずはクラウドソーシングで仕事を引き受けてみる
複業を始めたいものの、「何をすればいいかわからない」「今どんな仕事が成立しているのかわからない」という人は、まず複業の候補リストをつくるといい。例えば、クラウドソーシングのマッチングサービスを提供するココナラ、ビザスクでは、仕事の内容が様々なカテゴリーに分類されている。それを眺めながら、自分が挑戦する複業の候補を挙げてみること。
自分のスキルに合わせて、単価が安くてもまずは仕事を引き受けてみること。実際に仕事をしてみることで、自分のスキルがどの程度か、価格はどのくらいに設定すればいいかを判断できる。良い評価を得られれば、さらに単価の高い仕事を受注できる可能性も上がる。
資格よりも事例をつくれ
本業にしても複業にしても、「スキルアップのためには資格を取った方がいい」と勘違いする人が多くいる。しかし、資格はある程度の目安にはなるが、資格を取りたがる人は往々にして「資格を取ること」自体が目的になってしまう。
「◯◯の資格があります」と書いておけば、仕事がたくさん来ると思っているのは、幻想である。資格よりも「自分は何をしてきたか」という事例が大切である。しっかり結果を出してきた事実を積み重ねることである。
事例をつくる上では、どんなプロジェクトを経験したかも重要だが、そのプロジェクトを通じて何を得たか、他のプロジェクトにどう応用できるかが大切である。また、本当に必要な実績は、無償でも積むべきである。その経験が飛び地でポートフォリオを広げ、後々振り幅が広がる要素として効いてくる。
人とどこが違うのかを考える
外国人と日本人が大きく違うのは、新しいことに挑戦する時の考え方である。日本人は誰もやっていないことを始めるのは怖いと感じる。しかし、人と違うことが個性であり、複業につながる。誰かと話をする場合にも、「この人は自分と全く違う」ことを前提にして「どこが違うのか」を考える習慣をつけること。それによって自分の個性が理解できる。
「自分はオンリーワンの存在である」ことをスタートラインとして、会社の同僚や友人を思い浮かべて「どこが違うのか」を考えることが「自分には何が合っているか」を見極める近道である。