結婚しない男たち 増え続ける未婚男性「ソロ男」のリアル

発刊
2015年11月19日
ページ数
336ページ
読了目安
338分
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結婚しない独身男性へのマーケティング
「結婚しない」独身一人暮らし男性の価値観や生活意識、結婚観までを調査した本。増え続ける未婚男性の実態に迫り、マーケティングの視点から、彼らの消費へのアプローチ方法について示唆しています。

結婚しない男たちの増加

男性の生涯未婚率は1990年の5.6%から2010年には20.1%まで急増している。5人に1人の男性は、生涯未婚で終わるという事になる。この傾向は続き、2035年には30%近くまで上昇すると予想されている。

男性の晩婚化や未婚化に関連するニュースで、いつもその原因として挙げられるものに「低年収だから結婚できない」というものがある。実に乱暴な話である。そもそも今より平均初婚年齢が低かった時代、世の男性がみな高収入だった訳ではない。問題は「独身」=「結婚できない人」と直結させてしまう風潮だ。「結婚できない」のではなく「結婚しない」という層がいる事が忘れられている。

独身男性は自分のためにお金を使いたがっている。年代的には30〜40代で顕著だ。家計調査では、独身男性のエンゲル係数が極端に高い事がわかる。食費以外にも、独身男性は女性に比べて自動車関係費、交通・通信費、娯楽サービスの出費が特に多い。逆に、住居や家具、服飾費は、女性ほどお金をかけない。

 

ソロ男の定義

時代は大きく変わりつつある。いつの間にか、独身男性はもはや少数派の一言では片付けられないボリュームにまで成長している。「結婚しない」独身一人暮らし男性を「ソロ活動系男子」、略して「ソロ男(だん)」と名付ける。ソロ男は、以下の条件を満たす者と定義される。

・基本的には、独身で20〜50代の男性
・親と同居していない一人暮らし
・ちゃんと働いていて、親などに金銭的な依存をしていない
・自由・自立・自給の価値観を持っている

 

ソロ男の価値観

①自由:束縛されないで自由に過ごしていきたい方だ
②自立:一人で過ごす時間を確実に確保したい方だ
③自給:誰かにあまり頼らず生きていける方だ

 

ソロ男の生活意識

・気楽な地位を好む
・高給より「休みたっぷり」を好む
・今より「将来に備える」堅実な面がある
・一人の時間を大切にする
・長生きにはこだわらない
・「変わりものである」ことを自認している
・異性に対する意識が強い

束縛されない自由を好むソロ男は、とかく身勝手でわがままで常識知らずという誤解や偏見を受けやすい。その根拠となるのは「結婚をしていない」という1点のみである。しかし、ソロ男とは、自分の主義・主張はしっかり持ちながらも常識人である。

 

ソロ男の恋愛行動・結婚観

彼女がいるソロ男は26.8%、非ソロ男と比較して若干低いが、それほど差はない。ソロ男は男性平均と同等に恋愛をし、付き合っている彼女もいるという事になる。

ソロ男の半数近くの46.5%は結婚に後ろ向きである。一方で35.8%は結婚に前向きである。ソロ男は40代で非婚の意志が揺らぎ始める。それは、子供を欲しがるからである。また、40代は身体にガタがくる年代でもあり、中間管理職など立場上精神的ストレスを溜め込みやすい時期である。身体を壊して不安になった時、ふと老後を想像し不安になる。

ソロ男の結婚意欲は、自分の収入の大小には全く影響されない。むしろ年収の高いソロ男ほど結婚しようという意欲がなくなる。

 

ソロ男の買い物意識

・自分は買い物上手であると自認しており、計画的な買い物をする事が多い
・一つのブランドを買い続ける
・物を大事にして、長く使う
・流行りものは買わない
・自分が興味のある気に入ったものに対しては割高であると感じても買う
・品質に大差のないものに対しては価格重視で選ぶ

 

ソロ男の性格

ソロ男の性格を一言で言うと「束縛を嫌い、頑固であまのじゃく。へそ曲がりでひねくれ者で、何かと面倒くさい」性格という事になる。ソロ男の持つガ頑固さは「職人気質」に近いものがある。自分の興味領域にはお金も時間も惜しみなく投じて、自分の納得いくまでこだわり続ける。