WHYから始めよ!―インスパイア型リーダーはここが違う

発刊
2012年1月25日
ページ数
261ページ
読了目安
422分
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人をインスパイアする方法とは?
TED(Technology Entertainment Design)での講演など、アメリカで大人気のコンサルタントが、人をインスパイアする方法を紹介しています。

組織の内外の人たちに感銘を与え、やる気を起こさせ、アイデアやビジョンを発展させる手助けができる「インスパイア型リーダー」になる方法とは?

アップル、スターバックス、サウスウェスト航空など、優れた企業に共通する顧客を感動させる共通の考え方がわかります。

WHYから始まらない世界

人間の行動に影響を及ぼす方法は、2つしかない。操作するか、鼓舞(インスパイア)するか。ビジネスから政治、マーケティングまで、どんな世界でも操作ははびこっている。

・価格を下げる
・プロモーションを行う
・恐怖心を利用する
・周囲と同じ行動をとるよう仲間集団から圧力をかける
・上昇志向のメッセージを送る

操作には効果がある。しかし、操作したところで、忠誠心を育てることはできない。操作を始めて時間がたつと、コストはどんどん上昇し、次第に短期しか利益が上がらなくなる。
客との取引回数が1回である場合、飴とムチ方式である操作は最善策である。しかし、人や組織が2回以上の取引や忠誠心のともなう関係を望む場合、操作は役に立たない。

 

WHYから始めよ!

人を操作するのではなく、人をインスパイアできるリーダーは「ゴールデン・サークル」というパターンに従っている。

「ゴールデン・サークル」は、円の外側から内側へと以下の順番に並ぶ。

にっつ

・WHAT(していること)
企業や組織は、自分のWHATがわかっている。自社が扱っている製品やサービスの事ならすらすら説明できるように、WHATは明確に説明する事ができる。

・HOW(手法)
自分がしていることのHOWを知っている人や企業もなかにはある。「価値観に差異をもたせる」「ユニークな販売計画」など、他とは違う方法、より良い方法をHOWと呼ぶ。HOWは、WHATほど明確ではない。

・WHY(理由)
自分が今していることを、しているWHY。これを明言できる人や企業は少ない。このWHYには「お金を稼ぐため」という理由は含まれない。これは結果にすぎない。
あなたの目的は何か?なぜ、あなたの会社は存在しているのか?

 

大半の組織や人間が、円の外側(WHAT)から内側(WHY)に向う順番で考え、行動し、コミュニケーションをはかっている。私たちはWHAT(していること)は説明できる。時にはHOW(手法)も説明できる。しかし、そうしているWHY(理由)を説明することはめったにない。

 

だが、傑出したリーダーや組織は、みな円の内側(WHY)から外側(WHAT)の順で考え、行動し、コミュニケーションをとっている。
例えば、アップルのメッセージはWHYから始まっている。つまり、目的、大義、理念であり、WHATとは関係ない。製品は、彼らの信条や大義を具現化したものにすぎない。

 

人々はWHATを買うわけではない。それをしているWHYを買う。円の内側から外側へとコミュニケーションをはかると、消費者が買い物をする理由がWHYとなり、社の信条や具体的に立証したものがWHATとなる。そうなって初めて、消費者はある会社や製品に惹かれる理由を説明できるようになる。