スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義

発刊
2016年1月28日
ページ数
256ページ
読了目安
313分
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アイデアを形にするための方法論
スタンフォード大学で起業家を創出するための教育を行っている著者が、アイデアを形にするために必要な行動と姿勢を解説している一冊。
イノベーションを生み出すための方法論が紹介されています。

アイデアを形にするためのステップ

アイデアを形にするまでのプロセスに必要なスキルには階層がある。

・想像力がクリアイティビティを生む
・クリエイティビティがイノベーションにつながる
・イノベーションが起業家精神を呼び起こす

はじめは「想像力」である。そして、クリエイティビティ、イノベーション、起業家精神を養う上で何より求められているのは、方法論である。そこで「インベンション・サイクル」、つまり、ひらめきを形にするまでのサイクルを提案する。

 

インベンション・サイクルの4要素

インベンション・サイクルを構成する4要素は次のように定義される。

①想像力:存在していないものをイメージする力
必要なのは、好奇心を持つこと、とにかくとことんやってみること、そして、頭の中でアイデアを思い描くことである。インプットは多様であるほどいい。旅をして、本を読み、食事をし、音楽を聴き、映画を見る。様々なものに触れるほど、想像力は豊かになる。

②クリエイティビティ:想像力を駆使して課題を解決する力
クリエイティブなアイデアは、具体的なニーズを満たし、社会の中で目に見える形になっている。クリエイティビティには、独自性と有効性の両方が必要である。独自性のあるものがクリエイティビティであるには、実効性がなければならない。

③イノベーション:クリエイティビティを発揮して独創的な解決策を編み出すこと
革新的なアイデアは、クリエイティブなアイデアと違って、それを生み出した本人だけでなく、世界全体にとっても斬新でなければならない。そのために必要なのは、世の中を新鮮な目で見つめること、思い込みを疑うこと、状況を捉え直すこと、そして、ばらばらな分野のアイデアを結び付けることである。イノベーションは、クリエイティビティと違い、日々の問題をクリエイティブに解決するよりはるか遠くを目指す必要がある。

④起業家精神:イノベーションを活用してユニークなアイデアを形にし、他の人達の想像力をかきたてること
起業家のように考えることで難しい問題を解決していくことは、どんな活動にも必要なものである。

 

インベンション・サイクルに必要な行動と姿勢

インベンション・サイクルの各段階に必要な行動や姿勢は次の通りである。

①想像力を豊かにするには
何か1つのことにどっぷり浸かること、今あるものに代わるものを思い描けることが必要。

②クリエイティビティを養うには
やる気を高めること、実験を繰り返しながら課題を解決しようとすることが必要。

③イノベーションを起こすには
フォーカスすること、状況を捉え直してユニークな解決策を生み出すことが必要。

④起業家精神を養うには
粘り強く続けること、周りの人を巻き込むことが必要。

姿勢がぶれない人には実行力があり、行動力がある人には発想力がある。実行力とは、物事をやり遂げる能力であり、発想力とは、型破りなアイデアを思い付く能力である。どちらも必要な資質だが、片方だけでは十分と言えない。実行力と発想力が揃ってはじめて、新しいアイデアを実現することができる。