プロモート・ユアセルフ -最強のキャリアをつくる働き方

発刊
2015年11月19日
ページ数
383ページ
読了目安
521分
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これからのキャリアのつくりかた
企業も求められるスキルも激しく変化する時代に、どのようにキャリアを積み上げていくべきか。起業家的な発想を持って、自らのキャリアを切り拓く事の必要性を説いている一冊。

目標とするキャリアを考える

私達の世代は、最も基本的なレベルでは、変化にうまく適応していかなければならない。職場について言えば、約束された「より良い明日」はない。大学に入り、質の高いインターンシップを2、3経験し、卒業して良い職に就くという時代はとっくに終わった。昨今では、何かのスペシャリストであるだけでは足りない。

満足のいくキャリアを考える時には、3つの決定要素がある。「情熱・関心」「強み・力」「市場」の3つ全てが揃わなければ満足のいくキャリアを得る事はできない。3つの要素を全て満たすキャリアを見つけるのは簡単ではない。

まずは自分に意識を集中し、自分は何をしている時が楽しいか、そして何が得意かを書き出してみる。リストができたら、身近な人達からフィードバックをもらう。興味の対象が絞れたら、今度はその分野にはどんな仕事があり、そうした仕事を得るには何が求められるのかを学ぶ。そして、最終的な決断は、自分自身で下す。

 

職務マニュアル以上の自分になる

ハード・スキルとは、仕事をする上で欠かせない、実務的で専門的なスキルの事だ。
最終的にどのスキルをマスターするか、何に時間を費やすかを決めるのは自分自身だ。需要の高いスキルの習得に時間を割くほど、市場価値は高くなる。仕事や業界に通用する適切なハード・スキルをマスターすれば、仕事の声がかかる。そのためには、自分に何ができるのか、どの分野で最も会社に貢献できるかという事を、根気良く周囲に知らせていかなければならない。

必要不可欠な存在になる方法、機械化できない仕事をしているのだと証明する方法を探さなければならない。そして、常に明日のエキスパートでいられるよう、新しいスキルを学び続ける事が必要である。

最も成功しているブランドは、個人であれ、企業であれ、何か1つ特定のもので知名度を上げる事に力を注いでいる。必要なのは、まさにそうした作戦である。

 

あらゆるシーンで好印象を残す

ハード・スキルだけを持っていても二束三文の価値しかない。キャリアを決めるには実績だけではない。足りない要素は、ソフト・スキルだ。これは対人関係スキルの事である。同僚と人間関係を築くスキル、企業文化に溶け込み、上手にコミュニケーションを取るスキルだ。これをスマートに使いこなせば、周囲の注目を集める事ができる。ソフト・スキルを磨くのには、優れた方法がいくつかある。

①聞き上手になる:人の話の最中に口を挟まない
②ライティング・スキルを磨く:要点を出し、相手を意識した文章を書く
③プレゼン・スキルを伸ばす
④ボディー・ランゲージを理解し、使いこなす
⑤アイコンタクトを忘れない

ダニエル・ピンク

仕事の枠を超えて人脈を築く

どんなに優れたソフト・スキルを持っていても、同じ部署の人としか交流しないのでは意味がない。成功につながる人脈を、戦略的に開拓する必要がある。成功への道は、誰を知っているか、相手がどう受け止めるかで決まる。

ネットワーク作りとは、突き詰めれば新しい出会いと、価値の交換に他ならない。人間関係で成功するためには、5つのルールがある。

①ターゲットを決める
全ての人間関係に同じ時間とエネルギーを注ぐ事はできないため、一緒にいて楽しい、気の合う相手に的を絞る。さもないと全ての関係が希薄になる。

②互いの利益になる関係を築く
相手があなたと同等以上の利益を受け取れるような関係を築かなくてならない。

③与える
ネットワーク作りのコツは、見返りを求めず、相手のために心から手を差し伸べる事だ。

④誠意を持った発言をする

⑤人間関係を維持する
定期的にランチをする、メールや電話をするなど、相手の頭の中に、たとえ片隅でも、常にあなたがいるようにする。