“なりたい自分”になる技術 ―「好きなこと」×「理想の姿」を両立できる人の考え方

発刊
2021年3月19日
ページ数
240ページ
読了目安
230分
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推薦者

なりたい自分になるためにはどうすればいいのか
プロダンサーである著者が、好きなことをしながら、理想の自分になるための考え方を紹介している一冊。ダンス世界大会で優勝したものの、日本では全く注目されなかった過去から、新たなミッションを描くまでの経験が書かれており、そこから得た学びが語られています。

好きなことをするだけでなく、なりたい姿をイメージする

好きなことをすることと、なりたい自分になれるかどうかは別の話である。例えば、ダンスが好きだからといって、働くことや学ぶこともなくただ踊っていて、その結果、歳を重ねた時にリスペクトもされず、お金も仕事もなく将来の不安だけを抱える姿は、本当に自分のなりたい姿ではないはず。好きなことを続けた結果、「こんな姿になる」というイメージを常に持っておかなければ道に迷ってしまう。

 

「好きなこと」だけを握りしめ、世間の声に合わせて自分を見失うのではなく、胸を張って生きるためには、「なりたい自分」になるためのビジョンが必要である。「どういう世界をつくりたいか」という明確なビジョンを目指すことで、「なりたい自分」の姿でいることができる。

 

なりたい姿を考えずに好きなことだけにフォーカスするのは反対だが、好きなことをすること自体は賛成である。現代のように考え方や働き方が多様化する中では、やはり好きなことを追求するのは大切である。その人が活躍できるフィールドというのは、「好きなこと」と「向いていること」が掛け合わさるところに存在している。

 

ワクワクするような経験を持つこと

なりたい姿を明確にするということは、実現したい理想の世界を思い描くことにつながる。自分はどんな世界を構築する人間であるかを決め、自分自身がまずそのように振る舞うことになるからである。

「実現したい理想の世界」を見つけ、それを叶えるために進んでいこうとする時には、仲間が必要になる。世界をつくるには、多くの人を巻き込み、協力してもらわなくてはならない。特に最初の頃は、自分の話に深く共感してくれる濃い仲間の応援が力になるので、そういう人たちを集められる自分でいることが大切になる。

 

これからの時代に人を惹きつけるための武器となるのは、「ナンバー1」などの称号ではなく、人々が聞いてワクワクするような経験を持っているかどうかだ。人とは違う面白い経験値が必要になってくる。人をワクワクさせる話を持っている人の周りには、他のワクワクした話が集まってくる。ワクワクする話を持っている人たち同士がお互いをワクワクさせて、社会をつくっていく。

 

「何もない」と思っている人も、きっと他人から見たら珍しい経験を何かしらしているはずで、自分では大したことがないと思っている経験が、実は唯一無二のものである可能性もある。

 

「信用」と「価値」をつくる

描いたビジョンで成功を収めるためには、ビジョンを人に話し、共感を得て、協力してくれる仲間をつくっていく、具体的な行動を起こしていくことになる。

自分の話を聞いてもらって、人に協力してもらうには「信用」と「価値」が必要である。人は、どこの誰だかわからない人間の話を聞こうとはしない。逆に「知っている」ものはそれだけで、ある程度信用に値すると判断される。信用してもらうための第一歩は、自分が何者であるかを明確にすることである。

但し、肩書だけでは信用は得られない。大事になってくるのは「実績」である。しかし、興味を持って話を聞いてもらうためには、これだけでは不十分である。

 

「こういう世界を実現したい」と思った時、信用を得られた上で、人々に興味を持ってもらい、巻き込んでいくために必要になるのが「価値」である。価値とは、人が経験したことのない体験を持っていること。そしてそれを語って、見たことのない世界が見られる未来を思い描かせることができることである。

 

自分の理想を実現するための7ステップ

①不自由さに目を向け、ビジョンを明確にする

②ビジョンを「言語化」する

③信用を得る

④ビジョンを周囲に話す

⑤「誰に」「どうして欲しいのか」アプローチを考える

⑥具体的なプロジェクトをつくる(テーマとゴールを最初に決める)

⑦強い気持ちを持ち続ける