2024年に会社はなくなる
多くの会社は、2024年頃までにいったん死ぬ。そして、未来に飛躍する価値ある組織へと、再び生まれ変わる。その理由は、インターネット情報革命の結果、会社の内で価値が生まれるのではなく、会社の外で価値が生まれるようになったからである。今やビジネスは、全世界の人材、資金、知識、技術に簡単にアクセスしながら、驚くほど短期間に事業価値を創り上げられる時代に突入した。
会社がなくなる事を理解するには、2012年以降の4年間で「会社」をめぐる環境がどんな変化を遂げてきたのかを知る必要がある。環境の変化は大きく分けて3つ。
会社がなくなる3つの環境変化
①社内で価値を創る時代から、社外で価値が創られる時代にシフトした社外の人がたくさん集まってくるプラットフォームをつくり、集まった人達が勝手に行動する事で、価値を創り出すビジネスを手がける会社が次々と現れた。この形態のビジネスの場合、会社に少数のプロデューサーさえいれば、社外の人を巻き込んで、いくらでも全世界規模の大きな仕事ができる。
②社内で予算を獲得する時代から、社外で資金を調達する時代になった
新しいアイデアさえ持っていれば、社外のリソースを使って短期間で資金調達するような時代へと変化した。その代表格が「クラウドファンディング」である。
③コンピューターが進化した
学習しない社員を教育するより、バージョンアップできるロボットに置き換えた方が早いという状況が訪れつつある。8年後には、会社の中に社員がさほどいなくても、コンピュータの力によって、会社が価値を生み続ける時代がやってくる。
これからさらに加速する技術革新などの変化に対して、会社のシステムや人材が硬直的になっていて、対応できない会社は、新しい商品・サービスが生み出せないので、急速に力は衰えていく。
これからの時代に必要な能力
従来の会社がなくなると、ビジネスパーソンの働き方も、状況の変化に応じて変えていく必要がある。これからの時代に求められる人材は、人間にしか生み出せない高度な価値を生み出せる人である。「社員である自分が稼ぐから会社がある」と主体的に考えて、進んで行動する。社内外の多くの人を束ねて、リーダーシップを発揮しながら、失敗を恐れずに新たな事にチャレンジし、次々と新しい価値を生み出していく。そのような起業家的マインドを持ったプロデューサー方の人材が求められる。
特に必要なのは「CI(コネクティング・インテリジェンス」。人々のネットワークを形成し、その人達の能力を引き出せる能力である。これからの時代、多くのパーソンバイト(1人が情報処理できる能力)を束ねるネットワークをつくり、パーソンバイトを最大化する事が求められる。
未来から選ばれるために必要なこと
今後、未来から選ばれる人材とは「組織のビジョンの実現に、情熱を注ぎ込めるコネクティング・インテリジェンスを持った人材」である。ビジョンに夢中になれる人が集えば、高度な課題にも諦める事なく挑戦できるし、困難な仕事でも強い結束力で取り組む事ができる。このような人材になるためには、次の3つの勇気を持つ事が大切である。
①激変する技術環境に対応し、未知なる分野に踏み出す勇気
②暗闇の中でも、輝かしい未来ビジョンを描き、1人からでも声をあげる勇気
③自分と共振するビジョンを持つ組織を見分け、その組織と共に成長していく勇気