承認欲求は成長のための鍵
褒められたい、認められたいという承認欲求は、決して満たされない。承認欲求が「以前よりも満たされる」ということはあっても、その短い充足の瞬間がずっと維持することはイメージしづらい。そう考えると、承認欲求を満たす道のりは山登りと似ている。山を登った達成感は、長く定着するわけではなく、次の山への憧れを生む。だから、100%の達成感の定着を求めて山を登るのは無茶な話。
しかし、そういう自分たちだからこそ「成長」ができる。承認欲求によって、人が今の自分とは違う力を身につけて、より高い別のステージへ行くための意欲の一種と捉えれば、ポジティブな感じがある。
山登りでは、ちょっと振り返ってみると、結構登ってきたことに気づく。この「振り返り」が大切である。振り返ってみると、自分でもそれなりにはできていたことに気づく。成功体験と言ってもいい。
誰からどこまで満たされたいのか考える
少しだけ振り返ることで、自分の積み重ねてきた結果は、必ず確認できる。ステップアップしてきた道のりを確認することは、モチベーションアップにつながる。
承認欲求は満たされない。しかし、承認欲求の満足を求めて努力することは成長の鍵となる。承認欲求も、いい方向に働けば、いいことが巡るスパイラルに入っていく。アクティブな「ゾーン」に入る。
承認欲求を満たすために、大事なのは「誰から、どこまで満たされたいのか」を考えることである。ただやみくもに誰でもいいから満たされたいというのでは、思い通りに満たされない。
あなたは「誰から」認められたいですか?
「どこまで」満たされたら満足できそうですか?
この対象と目標をまずはっきりさせることがポイントである。ここが明確であればあるほど、承認欲求は1つずつ満たされていく。一定のラインを満たすことは、次の意欲へとつながる。モチベーションを支えてくれる。
満たされるには相手の立場から考える
承認欲求が満たされていないと感じる人の課題は「伝え方」にある。コミュニケーションの場では、同じ内容でも、より効果的な伝え方のテクニックを活用することで、伝わり方に大きな差が出る。
承認欲求の押し付けは逆効果である。「言いたいことを言いたいだけ話す」伝え方では、なかなか相手には届かない。伝える能力とは「相手に興味を持たせるテクニック」のこと。まず、相手が何を求めているのかを的確に考えて、アピールすることが大切である。
終始、相手の立場に立って、愛情をもって考えることが大事である。相手が何を欲しているか、今どういう状況なのか、などの観察と分析を繰り返すことで「自分の承認欲求を満たす」状況を自分でデザインする。
自分を知り、自己ベストを尽くす
他社評価を、全て自分が求めた通り、思い通りに得られる瞬間というのは実質的にない。しかし、自分の能力をできるだけ客観的にチェックし、できること/できないことを取捨選択しながら「自己ベスト」を出していくことは必ずできる。そのために必須なのが、自分を冷静に分析して知る「自己認識」である。自己認識で目指すのは、次の3つ。
①自分の「できないこと」を認め、向き合うこと
②他人と比べないこと
③過去にこだわらず現在を生きること
特に①が圧倒的に大切である。できないことに気づき、それを受け入れ認めることが重要である。自分にない能力のことを直視できない時、能力の合っていないフィールドで評価されないことを、不満に感じてしまう。だから永遠に満たされない。