学び方の学び方

発刊
2021年2月1日
ページ数
296ページ
読了目安
251分
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シンプルで本当に成果があがる勉強法
成績を上げるためのカギは、生まれつきの能力でも、勉強に費やした時間の長さでもなく、勉強への「取り組み方」にある。いかに効率的に学習効果をあげれば良いのか、簡単に使えるテクニックと考え方が紹介されています。本を効率的に読む方法も書かれてます。

どこまでも集中し、怠け癖に打ち勝つ方法

学習の世界における最も単純で最も強力な知的活動のツールは「ポモドーロ・テクニック」である。

 

①勉強する場所に腰を下ろし、邪魔になりそうなものを排除する。

②タイマーを25分に設定する。

③設定した25分間、できる限り徹底して勉強や仕事に没入する。

④時間が終わったら、約5分間の褒美の時間をとる。

⑤忠実に繰り返す。

 

ポモドーロ・テクニックが生み出す爆発的な意識の高まりによって、脳は散漫になることなく集中して働ける。そして、集中から解放されて脳を少し休ませるのは、学習したての内容を、長期記憶の領域に移すためには理想的である。それによって頭がすっきりして、また新たな学習に取り組める。そして、褒美があるという思いによって、学習意欲を維持していられる。

もし新たな学習をするためにこの手法を使うなら、その時間の内の少なくとも数分間を使って、今学習していることを脇に置き、直前に学習したばかりの内容を思い出すのも賢明な方法である。

 

行き詰まりを克服する方法

脳には、思考と学習について完全に異なった2種類のモードがある。

  1. 集中モード:何かに集中している時
  2. 拡散モード:頭の中で様々な考えが漂っている時

 

拡散モードに入っている時、脳は集中モードには望めない方法で、互いに違った考えやアイデアなどを結び付けられる。このおかげで、散歩をしている時やシャワーを浴びている時にアイデアを思いついたり斬新な洞察を得たりできる。

学習している内容が比較的単純で、既にものとしたアイデアと関連があるような場合には、集中モードだけでこと足りる。しかし、新しいことや難しいことを学習しようとすると、集中の度合いを高めるだけでは難しい。この時、頭を休める時間をつくれば、取り組んでいた課題に改めて集中し直した時、「なんだ、そういうことか」という洞察が得られる。

拡散モードのおかげで新しい洞察が得られると、今度は集中モードがその新たなアイデアを組み上げ強化してくれる。あるテーマを相手にして、拡散モードに入るためには、少しの間、あるいは行き詰まって集中をやめる瞬間まで、そのテーマに真剣に集中しなければならない。

 

より深く学習する方法

学習している時は、自分の頭を叱咤激励しながら積極的に学習することが大切である。問題の答えを見るのは禁物だ。読んだばかりの本の一部から、要点を見極めるよう努めよう。

積極的な学習の核心には「回収活動」と呼ばれるものが存在している。それは、ただ目の前の対象を眺めているだけでなく、自分の記憶から情報を引き出せるなら、それを見たい、あるいは自分の頭でそれを活用したいという活動だ。情報を長期記憶の領域へと入れ込むための最良の方法は、ただ答えに注目するのではなく、長期記憶から情報を回収しようと努力することだ。

記憶から何かを回収しようとする時には、自分がよく理解していることと、もっと時間をかけて学習しなければならないこととの両方を知らせてくれるフィードバックがかかる。このフィードバックによって、自分の時間を生産的に使ってきているのか評価できるようになる。

 

作業記憶を最大にする

脳には、2種類の違った記憶がある。

  1. 作業記憶:情報の保持は一時的なもの
  2. 長期記憶:情報をもっと永続的に保持するもの

 

情報が作業記憶から長期記憶に移されて初めて、本物の学習になる。作業記憶は学習する時、核心的な役割を担っている。それは問題を解くために活用するものであり、そして対象を読み解くために活用するものだ。つまり、情報を長期記憶の中に保存するためには、重要であり、なくてはならないものなのだ。

一般的には、人の作業記憶では概ね3、4つまでの考えや概念を保持できる。目の前の対象を理解するのに苦労しているとすれば、それは作業記憶が限界にきているからだろう。難解な情報をすべて一度に処理するのは不可能だ。その対処法は次の通り。

 

・要点をまとめて、簡単にする

・対象をいくつかの塊に分解する

・内容をもっと理解しやすい言葉に翻訳する

・作業記憶を空白にするために、作業リストをつくる

・作業記憶を拡張するために、紙に書く