制限や制約から解放される
人間の学ぶ力は無限大だ。私たちが知るべきは、それにアクセスする方法だけである。リミットレスになることは、加速的に学べたり、速読ができたり、驚異的な記憶力を発揮できたりすることがすべてではない。リミットレスとは「限界から解放されること」、今できると思っているレベルを超えて進歩することだ。
リミットを外してマインドセットとモチベーションとメソッドを強化する方法を学べば、リミットレスな人生は作り出せる。その歩みを着実にする鍵は、成功のモデルとなる地図を持つことだ。
リミットレス・モデル
このモデルの3つの領域のどこかに、手放すか置き換えるべきリミットがある。
①マインドセットのリミット(可能性)
自分自身に、また自分の能力や価値や可能性に高い期待を抱けない。
②モチベーションのリミット(目的)
意欲か目的かエネルギーが足りないので行動を起こせない。
③メソッドのリミット(手段)
望む成果を得るための効果的な手段を教わっていない、または実践していない。
・マインドセット×モチベーション=着想
何かを着想してはいるが、どの方法を使ってどこにエネルギーを注ぐべきかがわからない状態。
・モチベーション×メソッド=実行
着想を実行できるが、マインドセットが適切でないので、成果は自分に値し可能だと感じる範囲に限定される状態。
・マインドセット×メソッド=概念
着想を実行する方法はわかるが、実行するエネルギーが足りないので、その着想は頭にとどまったままになる状態。
この3つが重なるところに「リミットレス」があり、そこで初めてすべての条件が満たされた状態になる。
固定観念と嘘を打ち破る(リミットレス・マインドセット)
マインドセットは、自分や周囲に対して抱く固定観念や思い込みで形成される。まずは自分が自身の可能性についてどんな固定観念を潜在的に抱いているのか、知っておく必要がある。
よほどの自信家でない限り、人は自分自身を真に備わっているはずの潜在能力よりも低く規定し、それを自己イメージとして受け入れている。だがそれは事実ではなく、あくまで信念体系に過ぎない。
自己を制限する固定観念を最小限に抑えて、スーパーヒーローのマインドセットを育てる鍵は3つある。
- 固定観念の存在に気づく
- 根拠を確かめる
- 新しい信念を作る
速く学習するには、自分が自分の可能性について抱いている狭い定義をアップデートしなければならない。
強力で持続する意欲やエネルギーを手に入れる(リミットレス・モチベーション)
モチベーションはマインドセットと同様に固定的ではない。誰のモチベーションにも上限はない。モチベーションは湧いたり湧かなかったりするものではない。やるかやらないかだ。モチベーションはプロセスであり、戦略でもあるので、正しい手順を踏めば、誰でも確実に生み出せる。
モチベーション = 目的 × エネルギー × 小さく簡単なステップ(Small Simple Step)
この3つを掛け合わせた時に持続するモチベーションが生まれる。強力で持続するモチベーションの育て方は次の3つである。
- 目的を明らかにする
- 心身にエネルギーを育む
- 小さく簡単なステップを踏む
脳に最適な「学び方」を学ぶ(リミットレス・メソッド)
メソッドとは、何かを成し遂げるための方法や手段のこと。学び方を学ぶための方法であり、メタ学習とも呼ばれる。
①集中力を高める技法
1つのことだけに意識を向ける。意識を「明るい光の玉」にたとえ、それを一定の間、頭の1カ所にとどめる練習をすれば、集中力を高められる。もう1つの秘訣は、散らかったモノを片付けること。さらに空白時間を設けることも大切である。
②学習効果を最大化する7つの習慣
- 復習して、その直後にどのくらい思い出せるかを確認する
- 時間を空けて復習する
- 心の状態と姿勢に気を配る
- 勉強に特定のにおいを紐付けし、記憶する
- 脳にいい音楽を聴く
- 全身で耳を傾け、言葉以外の身振り手振りや表情など、脳全体で話を聞く
- 目的を決めてノートをとる
③短時間で大量にインプットして忘れない記憶の技法
次の3つの心掛けが記憶力を高める。
- 覚えるべき理由、強い動機づけを行う。
- 全神経を集中させて覚える。
- 自分なりの関連づけをする
④指数関数的に思考力を高める技法
解決の必要な問題やタスクについて考える時、次の4つのステップで行う。
- 根本の問題を突き止める
- 新たなアプローチを仮定する
- 関連する本を読む
- 現実的に検討する